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僕がフリーランスになれたのは「破滅願望」があったからだ

人生

こんにちは。非日常クリエイターの堀元です。

今日は僕自身の「破滅願望」について書いてみます。あまり明るい記事ではないので、おもしろ系を読みたい人はこの辺をご覧ください!

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僕は昔からどこか、破滅願望があったように思う。

「僕は」と限定したけど、むしろ人間には皆どこか破滅願望があるんじゃないかと思う。

「食欲も睡眠欲も性欲も(概ね)全員にある」と認められている程度には、破滅願望も全員にあると思う。

 

マンガ「天」の1シーンで、アカギがこう語るシーンがある。

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この後、アカギは続ける。

ギャンブルを続ける奴はスリルが欲しいんじゃない。いや、もちろんスリルも欲しいんだが…

心のどこかで、ほんの数%だけ…本当に再起不能な状況…「破滅」を求めている…!

 

今、手元に「天」のマンガがないので確認できないのだけど、おおよそこのような内容を言っていたはずだ。

このアカギの主張、分かる人には分かり、分からない人には分からない主張だと思う。

僕は、これを初めて読んだ大学2年生のとき、正直よくわからなかった。

 

そして今、ものすごく理解できる。

 

僕は破滅を求めている。死にたい訳ではない。むしろ、人生の楽しさを毎日噛み締めていて、死にたくなさで言うとそこらのサラリーマンよりも圧倒的に上だと思う。

 

死にたいのではなく、「破滅しても構わない」と思っている、という表現が多分正しい。

 

破滅しても構わない理由

僕は、言うまでもなく非日常体験が好きだ。だから非日常クリエイターを名乗っている。

この場合の「非日常体験」は、ありとあらゆる「今までの日常になかった体験」を指す。

端的に言えば、僕が破滅しても構わないと思っている理由は、破滅は「非日常体験」だからだ。それも、極上の。

以下、破滅の非日常体験性について書いていく。

 

「ドラマ体験」と「脳が溶ける体験」

非日常体験は二つに大別できる。

  • 「ドラマで見たことある!こんなの本当にあるんだね!」と思えるような「見たことあるけど実際には体験していない体験」(これを、「ドラマ体験」と呼ぶ)
  • その逆の「今まで発想すらしたことのない意味不明な体験」(これを、「脳が溶ける体験」と呼ぶ)

のどちらかだ。

僕のイベントは大抵、この後者の脳が溶ける体験を具現化するために行われている。

例えば、浮き輪で島を作ったとき、僕は自分の脳が溶ける感覚を大いに味わった。

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一方、前者の「ドラマ体験」も僕は大好きだ。「脳が溶ける体験」よりは「ドラマ体験」の方が、楽しさを共感してくれる人が多いだろう。

「ドラマ体験」についてもう少し詳しく述べよう。「ディズニーランド」が与えているのは、本質的にドラマ体験であると言える。

ディズニーランドの中では誰もがお姫様になれたり、ディズニーの登場人物を疑似体験できる。これはドラマ体験に他ならない。

 

ありふれているドラマ体験

そして、実は暮らしの中の様々なところに「ドラマ体験」はありふれている。

最も典型的なのは恋愛、次がスポーツ、その次が仕事、だろうか。

恋愛中に、恋人に思わぬドキッとするキスをされた時、スポーツで、劇的な場面で得点をした時、仕事中、周りの全員から無理だと言われていた案件を取れた時。

誰もが「ああ、こんなドラマみたいなシーンを味わえるなんて最高だ!」と思うことがあるだろう。

 

僕はこのドラマ体験も積みたいから女性にアプローチするし、新しいスポーツに手を出すし、新しい仕事に取り組み続けるのだろう。

しかし、実は「順調な人生」からはこのドラマ体験が生まれにくい。

今述べたように、恋愛でもスポーツでも仕事でも、ドラマ体験は生まれるのだけれど、「ドラマ体験」の「度合い」に限界がある。

 

考えて欲しい。一流大学を出て、大手企業に就職、順調にキャリアを重ねながら結婚して、順風満帆な人生を過ごす人の生活は、ドラマになるだろうか?

 

いや、こういう言い方をすると語弊がある。

僕は途中まで順調なキャリアを歩んでいた人間だし、身の周りにも多くの順調なキャリアを重ねた人がいるから、彼らの苦労はよく知っている。

周りから見て気楽に見えるほど実際には気楽でないことも、企業にずっと勤め続けることも、いかに難しいかを理解している。

 

その上で、僕は「彼らの暮らしにはドラマ体験としての限界がある」と言っている。順調なキャリアを進んでいる友人たちには本当に申し訳ないんだけど、そう思っている。

彼らは「破滅」か、そのすぐ側まで行くことはあまり無い。

それは、ドラマ体験として、「弱い」。

ドラマ体験を「強く」するのは、破滅に他ならないからだ。

 

破滅がドラマ体験を強くする

時々、マンガ「ワンピース」に関してこんな感想を聞くことがある。

ワンピースは、主要キャラが死なないからあまり面白くない

僕はこの感覚が、少し分かる。ワンピースがちょっと退屈に思えてしまう。

この対極にあるのが、「進撃の巨人」だ。

最近は読んでいないので今どうなのか知らないが、初期の「進撃の巨人」は面白かった。誰もが一瞬にして死にうる緊張感があった。

 

誰もが次の一瞬で死ぬ可能性があるから、生還に価値があるのだ。

 

破滅の間近は、面白い。破滅自体が強いドラマ体験だし、破滅の間近にいることもドラマ体験を強くする。

 

僕は、破滅のすぐ側にいる

僕は、(少なくとも僕の主観では)破滅のすぐ側にいる。

生活費クラウドファンディングをした時などは、本当に手元にお金が無くて、破滅を感じた。

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ただし、この「破滅のすぐ側にいる」は、実際の状況とは少々異なっている。

自分で言うのも何だが、僕は社会的なステータスは決して悪くない。

新卒ブランドは失ったものの、慶應義塾大学を出ていて、コミュニケーションはそつなく取れるし、通り一遍の仕事は人よりできる自信がある。

エンジニアとしてもそれなりの素養と知識があるし、受験勉強がそこそこ得意なので資格試験系にも強い。若いので仕事も覚えられる。

 

だから、就職しようと思えばどうにかなるはずだ。少なくとも「破滅が間近」という表現はあまり正しくないように思える。

でも僕は今、破滅を間近に感じている。その理由について書いてみたい。

 

就職もバイトもできない

僕は比較的あらゆる可能性を考えるし、そのくせ変に凝り固まった発想をする。

昔からそうなのだけど、自分がしないと決めたら何としてもしないのだ。意地っ張りの天邪鬼の部分がある。

そしてそんな意地っ張りな精神で、僕は今、自分にあるルールを課してしまっている。

「自分が面白いと思う」かつ「自分のブランディングに役に立つ」仕事しかしないというルールだ。

4月くらいの段階では、「まあ足りない分はバイトでもすればいいか」と思っていたけれど、今では不思議とバイトをしたくなくなってしまった。

多分、この半年間で色々な問題作を世に送り出してきて、自分のやりたいことがお金に変わる可能性がハッキリ見えたからだ。

自分のやりたいことをお金にする作業は、楽しい上に拡張性がある。今後につながるのだ。

今後に繋がらないし楽しくないアルバイトをする気持ちは毛頭なくなった。それなら時間対効果は低くても、自分のための仕事をしたい。

 

繰り返そう。僕は「自分が面白いと思う」かつ「自分のブランディングに役に立つ」仕事しかしないというルールを持って動いている。

アルバイトではなく生活費クラウドファンディングを選んだのは、このルールがあったからだ。僕はアルバイトをするという選択肢は持っていなかった。

そして、このルールが一つ加わるだけで、途端に破滅が近くなってくる。

まず間違いなく、普通に就職はできない。よほど面白いクリエイター集団が集っている会社に入るか、自分でどうにか生計を立て続けるしかない。

このルールがついて回る限り、「高学歴」や「器用にいろんな事がこなせる」という僕のステータスはあっという間に霧散する。

 

現状の稼ぎと出費

預金残高は増えたり減ったり、一進一退の攻防を繰り広げている。

僕がこなすのは、細々としたイベント関係の仕事(1万円とか2万円とかを手にする仕事)が多い。

こういう仕事を月に5〜6個こなしながら、ブログからのちょっとした収入とか、沖縄で運営しているコテージからの収入とかを得ながら暮らしている。

こういう言い方をすると、(高額でないにせよ)ある程度安定した収入があるように聞こえるのだけれど、実際はその真逆である。

僕はかなりチャレンジングな企画を実行することが多いので、本来2万円プラスになってくれないといけないイベントで、計算外の5万円マイナスを出すことがある。

もしくは、最初から採算度外視でマイナス覚悟で突っ込むこともある。

そういう「マイナスな仕事」がちょっと連続すると、あっという間にお金がなくなってしまう。

正直非常に危険で怖いのだけど、僕はその状況をどこか楽しんでいる節がある。やはり思想的に「破滅」を求めているんだと思う。

強烈なドラマ体験を得るために、僕は破滅のすぐ縁を歩くのを良しとしている。

 

破滅の間近を行こう。ギリギリを歩こう

少しずつ宣言しているから知っている人もいるかもしれないが、僕はこれから「あの村」というプロジェクトに本気で向き合っていく。

誰でも気楽に、DASH村作り体験ができる場所を作ろうとしている。

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これに伴って、僕の懐事情はもっと厳しくなっていく。

「あの村」がある千葉に長時間滞在しなければならないから、今やれているようなイベント業はやれなくなる。

4月から本格的に「あの村」にツリーハウスを建てて、人が住める体制を整えなければならない。

 

普通の神経をしていたら、この状況で「あの村」にフルコミットしようとは考えないだろう。

でも、僕はやたらポジティブなので、どうにかなると信じている。

破滅を間近に感じながらも、破滅に落ちないように、ギリギリを歩いていこう。

 

 

世界を面白くしよう!

author
Ken Horimoto
堀元 見

インターネットおもしろ雑文オジサンとして生計を立ててます。(性格が)悪そうなヤツはだいたい友達。

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