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コウメ太夫はフラクタル構造であり、僕の目標だという話【図解あり】

面白いもの

 

よく分からない記事タイトルですみません。読み進めていくと謎が解けるので少々お待ち下さい。

 

コウメ太夫のTwitterを、君は知っているか

 

「コウメ太夫」といえば、エンタの神様などのネタ番組で「チクショー!」というネタをすることで有名になった一発屋芸人です。

さて、このコウメ太夫なのですが、Twitterがとにかくすごいのです。

 

 

このように、「#まいにちチクショー」のハッシュタグで毎日ネタを発信しています。

上のツイートのように全然面白くないツイートも多いのですが、注目せずにはいられない魅力的なツイートも時々あります。

 

例えばこれ。

 

この人、何言ってるんですか?

「グォ〜ルゥプドドンェンヌオゥィィェケゥツアペッツェ」という謎の概念が全く説明なしに導入されることに対して、脳を揺さぶられずにはいられません。

 

是非皆さん「コウメ太夫」のTwitterアカウントのツイートをさかのぼってみて欲しいのですが、このような脳を揺さぶられるツイートが散見され、いつの間にか夢中になってしまいます。

悔しいですが、僕はコウメ太夫に夢中になってしまいました。

コウメ太夫のツイートは、バリエーションに富んだ不可解さにあふれており、

堀元
なぜ彼はこんなツイートをするのだろう?

と考えずにはいられません。これが、彼がフォロワーを8万人近くも獲得している理由でしょう。

 

更に、しばらく見ていくと、本来守るべきフォーマットが全く守られていなかったり、日本語のルールさえも無視していたりして、言語とは何なのか?ルールとは何なのか?といった哲学的な問いすら生じてきます。

 

また、ツイート自体も非常に魅力的なのですが、それ以上に魅力的なのは、コウメ太夫を中心として大きな文化圏が発生していることです。

 

ということで、本日はコウメ太夫のTwitterアカウントの主な魅力である3点

  • ツイートの多様性と不可解さ
  • 哲学的な問いを投げかける
  • コウメ太夫を中心とした文化圏

を解説し、結論である「コウメ太夫はフラクタル構造で、僕の目標だ」という話をします。お付き合いください。

 

ツイートの多様性と不可解さ

まずはこちらです。ツイート自体の魅力について。

ツイートを分類しながら見ていきます。

 

ツイートの類型①シンプルに何も面白くない

まずはシンプルなパターン。

全然面白くありません。

「ドブ」でなく「ドヴ」なのが腹立つ

 

ツイートの類型②謎の概念の導入

「乳隠し式」という謎の概念を説明なしに導入しています。

先述の「グォ〜ルゥプドドンェンヌオゥィィェケゥツアペッツェ」などもそうですが、謎の概念ツイートはとにかく多いです。

 

もう1つ紹介。ファンタジー寄りのものもあります。

きな粉王国」という謎のファンタジー概念。

これに関しては分からんでもないですけどね。きな粉王国でくしゃみをするときな粉が舞うから重罪なんでしょうね。

「きな粉王国」について想像してしまう

 

ツイートの類型③複数のツイートを見て理解できる

先ほどの「グォ〜ルゥプドドンェンヌオゥィィェケゥツアペッツェ」という言葉は謎の概念かと思われたのですが、実はこのツイートと合わせて見ると意味が理解できます

「グォ~ルゥドェンヌオゥィィェケゥツ!」は、先ほどの「グォ〜ルゥプドドンェンヌオゥィィェケゥツアペッツェ」とは若干異なりますが、恐らく両方ともゴールデンウィークの言い換えなのだろうと推測できます。

このように、複数のツイートから傾向を見ていくことで「あ、あれはそういう意味だったのか」と分かるのも魅力の1つです。

なお、「分かったところで全く面白くはないし、だから何なのか」という虚無感に襲われます

 

ツイートの類型④あまりにも不可解な題材選択

「ブロッコリーのカスを集める」という、あまりにも不可解な題材選択です。

これ、上の句と下の句のどっちから先に考えたんでしょうか。

仮に、上の句「春のパン祭りの点数を集めてると思ったら」を先に考えたのだとすると、

他に集めるものは何か?→ブロッコリーのカスだ!

という思考があったことになります。

怖い怖い怖い。それは怖いよ。

 

せめて下の句を先に考えていて欲しい。

「ブロッコリーのカスを集める」って面白いなぁ〜→「集める」でヤマザキ春のパン祭りと絡めよう!

という思考であって欲しい。それならまだ理解できる。

 

「下の句を先に考えていて欲しい」という謎の願望が生まれる

 

ツイートの類型⑤日本語が崩壊している

「ハトとスズメだけ動物園が潰れた」という日本語、文法がおかしい。

動物園が潰れるのであれば動物園全体が潰れてしかるべきであり、ハトとスズメだけ潰れるというのはどういう状態なのだろうか。

 

ツイートの類型⑥ちょっと上手いこと言っててムカつく

 

これに関しては、ちょっと上手いこと言っててムカつく

 

ツイートの類型⑦謎が多すぎて見るもののパニックを引き起こす

 

「天井から豚骨ラ〜メンが漏れて」くるという状況がそもそもよく分かりません。

ホテルの部屋の真上がラーメン屋だったとも考えにくいですし、天井裏でこっそり豚骨ラーメンを食べてたヤツがいるとも考えにくいです。

 

更に不可解なのは、「私食べてない!怒られました」という一文。

この「私食べてない!」は誰のセリフなのか。

コウメ太夫なのでしょうか。それなら「私食べてないのに怒られました」と言って欲しいです。

あるいは、先生のセリフなのでしょうか。それなら先生は「自分だけラーメンにありつけなかったこと」を怒っているのでしょうか。

 

このように、たった1つのツイートで、大量の謎を投げかけてきます。

  • なぜ豚骨ラーメンが漏れてくるのか
  • 「私食べてない」の”私”は誰なのか
  • 先生はなぜ怒っているのか

謎が多すぎて、見るものの頭をパニックに陥れます。これぞコウメ太夫の真骨頂という感じがしますね。

 

ツイートを分析し始めるとキリがない

以上、代表的な7類型を見てみましたが、このパターンに当てはまらないものも色々あります。

また、分析して「彼はなぜこんなことを言っているのだろう?」とか「どういう意味だろう?」と考えていくと、無限の時間が吸われていきます。

 

……あるいは、この無限の時間が吸われるという特性こそがコウメ太夫の意図するところなのかもしれません。

コウメ太夫の哲学的な問いを投げかけるツイートを見てみると、そんな気持ちになります。

 

哲学的な問いを投げかけるツイート

先の7類型にはあえて含めませんでしたが、「これは哲学では?」と思わされるツイートがたまにあります。

 

一見、これも「類型⑦見るもののパニックを引き起こす」系に見えるのですが、ここまで来るともはや哲学なのかもしれません

そもそも、「なぞかけ」とは

Aとかけて Bととく その心は ◯◯でしょう

このフォーマットで知られた言葉遊びです。

一見無関係なAとBを挙げて、意外な共通点◯◯を指摘するという構造によって成り立っています。

 

しかし、このコウメ太夫のツイートは

かえるとかけて その心は……

と、何ともといていないのです。

だから、単にルール違反だと吐き捨てることもできます。

しかし、僕はあえて言いたい。これは、なぞかけというフォーマットの意味を問う問題なのではないかと。

 

なぞかけのフォーマットについて深掘りする

先述の通り、なぞかけとは、AとBの共通点◯◯を指摘するという構造です。図解するとこう。

「AとかけましてBとときます。その心は◯◯」の図解

 

さて、この構造において、Bを挙げなかったとしたらどうなるのか。

Bは指定されていない

Bは「指定されていないもの」であるということになります。

そして、条件が指定されていないということはそこに存在する任意のものが当てはまるということになります。

すなわち、Bは「任意のもの・任意のことが全て含まれた全体集合」であると言えます。

では、Bが全体集合であると考えると、AとBの共通点はどうなるのか。

 

簡単ですね。Aが持っている要素は全て共通点になります。

Bは全体集合なので、あらゆる要素を持ち合わせています

 

したがって、Aが持っている要素ならば何でも「その心」として提示していいのです。

 

……と、ここまでは僕も理解できました。「とかない」というフォーマット無視の持つ意味は、恐らくこういうことではないか。

 

それでも、謎は残る

しかしそれでも、謎は残ります。元のツイートをもう一度見てみましょう。

 

かえる(A)の持つ要素として、「かえるとこなく かかあでんかに結局がまカエル」(◯◯)が存在する必要があるのです。

「かえる」は「かえるとこなく かかあでんかに結局がまカエル」という要素を内包しているか?

という新しい問いが生じます。これについては僕はまだ結論を出せていません。皆さん、一緒に考えてください。

コウメ太夫のツイートは、非常に取り組みがいのある問題です

 

このように、ツイートを深く考えていくうちに「これって哲学かもしれないな」と思えるのがコウメ太夫のツイートの大きな魅力の1つです。

 

コウメ太夫を中心とした文化圏

さて、ここまで長々と見てきましたが、僕が最も興味深いなと思うのは「コウメ太夫を中心とした巨大な文化圏が形成されている」という脅威の事実です。

というのも、このコウメ太夫に関連して作成されたアカウントが散見されるのです。

以下、例を見てみましょう。

 

まいにちチクショー指導くん

こちらは、まいにちチクショー指導くん(@koumehyouka )というアカウント。

コウメ太夫の「まいにちチクショー」ツイートに対する指導を送り続けます。

こんな調子ですね。

 

これだけでも少しおもしろいです。botでなく人力でわざわざコウメ太夫のツイートを評価する精神状態が謎ですからね。

ところが、圧巻なのはここからです。

なんと、この「まいにちチクショー指導くん」を評価するアカウントも存在します。

 

まいチク指導くんを評価くん

それがこちら。まいチク指導くんを評価くん(@koumesidou_hyk )です。

 

これは二段構造です。図解するとこうなります。

「コウメ太夫のツイートを指導する」という趣旨のアカウントに対し、それを更に評価するという込み入りっぷり。

まだ終わりませんよ。こいつもいます。

 

まいチク指導くんを評価くんを援護くん

「まいチク指導くんを評価くんを援護くん」です。もう一段増えました。

 

図解するとこうなります。

 

もっと言うと、こんなのもいます。

 

指導くんにひどい別れ方をされたちゃん

「指導くんにひどい別れ方をされたちゃん(@kumsdu_friend )」です。

発想の転換です。「〜〜くん」というアカウントが連続していた中、「〜〜ちゃん」という新しいアカウントが出現しました。

「指導くんをいじるアカウントを作ったら、指導くんにブロックされたよ」ということらしいです。元のアカウント名はよく分かりません。

とりあえず図解するとこうなります。

図がどんどん成長してきました。そろそろ「僕はなぜこんなことをしているんだろう…」と考え始めます。

まだまだあります。

 

まいにちチクショー教育くん

「まいにちチクショー教育くん」です。

これ、今まで扱ってきた「指導くん」とは別系統のように見えるのですが、その実、「指導くん」へのダメ出しをするアカウントです。

ということで、図解すると位置はここ。間違いやすいポイントなのでお気をつけください。

 

まいチク教育くんを指導くん

そろそろ皆さんはパニックを起こしていると思うのですが、「まいチク教育くんを指導くん」もいます。

図解すると位置はここ。

 

まいチク◯◯くんを爆撃くん

「まいチク◯◯くんを爆撃くん(@koumebakugeki )」です。

ツイートの内容は極めてシンプル。

「まいにちチクショー◯◯くん」に対して、「チクポー!」とひたすらツイート(爆撃)していきます。

もうこのあたりまで来ると、何が面白くて何が面白くないのかさっぱり分かりません。深夜3時のテンションに近いものがあります。

 

 

毛色を変えましょう。こんなのもいます。

 

哲学者コウ・メダユー

「コウメ太夫は哲学なのではないか」ということを思う人は、意外にもたくさんいるようです。

「哲学者コウ・メダユー」というアカウントはそこに切り込んでいます。

 

また、よく分からない一般アカウントが全力で議論に付き合っているのも地味に面白いです。

 

まいチク古文翻訳くん

翻訳シリーズもすごいです。

 

こちらの「まいチク古文翻訳くん」は、まいにちチクショーの内容を古文に翻訳してくれます。

翻訳シリーズはいっぱいいまして、

 

中国語などのメジャー言語はもちろんのこと……

 

 

ヘブライ語やアラビア語などのマイナー言語もありますし……

 

 

2進数に変換するやつとかもいます。

 

見よ!この狂気のタイムラインを!

 

 

その他無限の関連アカウントたち

もう紹介するのに疲れ果てたのでやめておきますが、他にも「コウメAI太夫」や「40年後のコウメ太夫」など、ワケの分からないアカウントが大量にいます。

気になる皆様は調べてみてください。次から次へと出てきて笑ってしまうことまちがいなし!

 

コウメ太夫はフラクタル構造である

さて、ここまで大量のコウメ太夫関連アカウントを見てきましたが、代表的なアカウントを図解したものがこちらになります。

すごいですよね。関連アカウントによって、コウメ太夫を中心とした文化圏ともいうべきネットワークが形成されています。

一つのTwitterアカウントがここまで文化を作った例が他にあったでしょうか。少なくとも僕は知りません。

これだけでも、コウメ太夫という文化と文化圏のすごさがわかります。

 

また、ここで一つ、注目すべき事実を提示します。もう一度上の図をご覧ください。

「コウメ太夫を中心とした文化圏」の中に、「まいにちチクショー指導くんを中心とした文化圏」ができている

のです。

つまりこれは、フラクタル構造です。

フラクタル(仏: fractale, 英: fractal)は、フランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学の概念である。ラテン語 fractus から。 図形の部分と全体が自己相似になっているものなどをいう。

ウィキペディア「フラクタル構造」より

 

フラクタル構造の例

 

大きな構造の中の一部を見ると、また同じ構造が現れるというのがフラクタル構造の特徴ですが、このコウメ太夫文化圏はまさにそれを満たしていると言えます。

 

コウメ太夫こそが、僕の目標

さて、僕の人生の目標は「文化を作る」ということです。新しい文化を作りたくて、怪しい肩書の人を集めて交流会をしたり、遊びでカルト宗教を作ったり村を作ったりしています。

で、優れた文化の特徴って、フラクタル構造なんですよね。例をあげるとこんな感じ。

最初はAさん主催で、Bさんはただの参加者としてやっていたのだけれど、Bさんも主催をやりたくなってきて、Bさんも主催になって人を集め始める

これこそが文化の創生であり、フラクタル構造だと言えます。

 

ということで、文化を作りたい僕にとって、フラクタル構造を持つ大文化圏を作り上げたコウメ太夫は大いなる目標であると言えます。

 

 

……これが、目標か……。

 

最初は軽い気持ちで「コウメ太夫のTwitterすげえ!!」と思って調べ始めた結果、「僕の目標はコウメ太夫だ」というがっかりする結論に到達してしまいました。

人生は分からないものです。

なにかを調べたら意外な結論にたどり着くときもあるし、自分が憧れていたものが意外に嫌なものだったことが分かるときもある。

 

それでも人生は続いていきます。僕はコウメ太夫を事例研究することも忘れずに、一生懸命文化作りをやっていこうと思います。

 

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author
Ken Horimoto
堀元 見

仕事は「新しいあそびを作ること」。異常なイベントを企画したり異常なWEBサービスを作ったりしながら生計を立てています。

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