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B!

「異業種交流会人狼」をやったら全員怪しかった話-その投資家は、本物か。

新しい遊び

 

「フリーター?ウソでしょ?本当はちゃんとした仕事じゃないの?」

 

 

そんな声が、四方八方から響く。

世界初のイベント「異業種交流会人狼」の会場は、疑念が渦巻く異様な場所になった。

 

人が人を疑い、イジワルな質問をぶつける場所。

誰もが初対面の相手の本性を引きずり出そうと躍起になっている様子を見ながら、僕は笑いをこらえられなかった。

 

「異業種交流会人狼」のルール

去る11月15日に実施した「異業種交流会人狼」の概要はこうだ。

 

異業種交流会では、普段聞けないような、知らない業種の話が聞けますよね。

しかし、「知らない業種である」ということは、相手が喋ってることが全部ウソだったとしても見抜けないんじゃないでしょうか?

あなたはホントウに騙されずに、異業種の人と交流できますか?

ということで、今回の「異業種交流会人狼」には、数名の人狼が混ざっています。その人は自分のキャリアや現在の職業について嘘をついて、しれっと参加しています。

目の前の、パリッとしたスーツに身を包んだ自称弁護士は、ホントウはしがない会社員なのでは……?

そんな疑心暗鬼を楽しめるイベントです。

 

詳しいルールはこれ。

 

①参加者は人狼側と村人側に分かれます。(申込みフォームに、どちらで参加するか明記してください)

②当日、名札には職業と名前を書きます。村人はホントウのことを、人狼側はウソの仕事を書きます。

③交流会をしながら、村人は人狼を探します。人狼をあぶり出すための質問を色々するといいでしょう。(「それをするときの許認可ってどうなってるんですか?」「その原価って一人あたりいくらぐらいですか?」など)

④交流会の最後に、村人は「人狼だと思う人」を紙に書いて投票します。

⑤村人チームに入った票(間違っていた票)と、人狼チームに入った票(合っていた票)を比較して、人狼チームに入った票のほうが多かった場合は村人の勝ち、逆の場合は人狼の勝ちとなります。

⑥全体の結果発表とは別に、「最優秀人狼(最もうまく皆を騙せた人)」「最優秀村人(最も多く人狼を見破った人)」も決定し、それぞれに賞品をお渡しします。

 

この、長くて少々込み入ったルールをちゃんと読んで、全てが未知数のゲームに飛び込んできてくれる人が、15名いた。

世界初のゲームに飛び込んできた15名は、言うまでもなく新しいもの好きで、変わり者の人たちだろう。

その結果として、集まってきた15名全員がなんとなく怪しかったという不思議な現象が発生した。

 

また、この15人はみな意識が高く、ゲームの中で多くの戦術や理論が考案され、それぞれの戦い方でしっかり戦ってくれた。

そして、多くのドラマが生まれた。

今日はそんな不思議な戦いの中で起こった数々のドラマを、紹介していこうと思う。

 

参加者に与えられる第一関門「浅めの交流」

今回、開場時刻と開始時刻の差は30分。

早く来た参加者は、最大30分待機しなければならない。

このイベントをやるにあたって一番嫌だったのは「待機中になんとなくフワッと話してフワッと人狼がバレる」という展開である。

 

それを避けるために、

 

 

始まるまでは、浅めの交流をしていてください!

という指示出しをした。

 

仕事の話や人生の話など、深い話を禁止することによって、人狼がフライングでバレるのを防止する意図である。

 

この指示にはみんな素直に従ってくれて、

  • 最近めっきり寒くなってきましたね。もう冬至まで一ヶ月ですもんね
  • そのお菓子美味しいですよね
  • ネクタイがかわいいですね

など、浅めの交流を一生懸命していた。

 

「好きな色はなんですか?」「そうですねえ……緑ですね」

 

 

また、「そのネクタイは誰かからのプレゼントですか?」という問いに対しては、「それはちょっと深いのでは?」という疑義がぶつけられていた。難しいものだ。

 

起こったこと① メモを取りながらの交流

開始時刻になった。ルール説明や注意事項を話し終えて、早速交流タイムに入っていく。

本イベント最大の特徴は、交流しながらみんなメモを取っているということだ。

誰がどんな職業で、どんな発言をしていたか、怪しさがどうか……そういった情報を、逐一メモしながら交流していた。

相手の情報を聞き取るためにここまで必死になる交流会は他にないだろう。

僕は企画段階では全く意図していなかったが、結果として

普通の交流会よりもみんなと仲良くなれました!

と、多くの参加者に言われた。やはり何かタスクを与えた方が、人は主体的に交流するのだろうと思う。

 

起こったこと② なんとなく全員怪しい

このイベント、村人10名に対して人狼5名というバランスで実施した。

したがって、3分の2は本当のことを言っているはずなのだが……

なんか全員怪しいんだけど!!

と、ほとんどの参加者が怒っていた。そう、当日集まった人たちは何となく怪しい人ばかりだったのだ。

この記事を読んでいるあなたにもその「何となく全員怪しい」感を味わって欲しいので、以下に4名ほど参加者の写真とその職業を示す。

「誰が人狼なのか?」を考えながら見て欲しい。

 

参加者A 広報的な仕事をしている

「人工知能の会社で広報的な仕事をしています。今はtoBがメインなんですが、徐々にtoCにも展開していきたいと思ってまして、私は広報的な感じで、社外につながりを作ってくる仕事です。今日も半分仕事ですね(笑)」

 

参加者B 学童保育

「学童保育の仕事をしています。元々は大手広告代理店にいたんですが、合わなくて辞めてしまいましたね。子どもが好きなので、今の仕事は楽しいです!」

 

参加者C 発破技士

「建設会社に雇われていて、発破技士をしています。現場に出る時は作業服ですが、今日は内勤だったので普通の服です。勤務日の半分くらいは内勤の日ですね」

 

参加者D グラフィックデザイナー

「グラフィックデザイナーをやっています。大学は結構ガッチリした理系を出たんですが、その後にデザイン系の専門学校に行って、デザイナーになりました」

 

……以上、4名を紹介してみた。

どうだろうか?

なんとなく、全員怪しい感じがしないだろうか。みんな雰囲気はそれらしいんだけど、それゆえにウソっぽくもある。

読んでいるあなたも、この4名の中の誰が人狼かを当ててみて欲しい。あえて人数も限定しない。1人かもしれないし2人かもしれないし、もしかしたら全員かもしれない。

 

以下に答えがあるので、考えたらスクロールして欲しい。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

 

正解は、「参加者C 発破技士」である。彼女だけが人狼で、他の3人は全員ホンモノだ。

あなたは当てられただろうか。

発破技士の彼女は、10名の村人のうち2名からしか疑われなかったという最も優秀な成績を叩き出した。最優秀人狼である。

この日のために発破技師の資格について国土交通省のWebサイトで確認してきたらしい。努力が花を咲かせた結果と言えるだろう。

 

このような「何か全員怪しくない?」という空間になっており、当日はみんな「さっぱり分からない……」という顔をしていた。

 

起こったこと③ 場をざわつかせすぎる「女子高生」

「女子高生です!最近クラスでTikTokが流行っています!今日は学校帰りに制服のまま来ました!」

 

誰が人狼なのかさっぱり分からない空間の中、一人だけ明らかに異色の人物がいた。

それが、彼女(?)だ。

 

女子高生の制服に身を包み、口元をマフラーでしっかり隠す。

頑張った方だ…頑張った方だと思う。

隠しきれない胴体のガッシリ感や、足のゴツさが男であることを物語っているのだけれど、それでも彼は結構頑張って女装していた。

1時間半ずっと裏声で喋りながら、イマドキの女子高生っぽい喋り方をしていた。

 

「学校で流行ってるんですよ」と自身が写ったTikTokを見せてくれた。いや、それで逆転できねえから。

 

 

この女子高生に対して会場は、最初こそ「いや、あれ、男だよな……」という不穏なざわつきがあったものの、途中からはみんな優しくなった。

まあ女子高生がホントウなのは間違いないとして、人狼は誰なんだろうな……

と、口を揃えて言っていた。みんな、すごく空気を読んでいる。

 

「駅でよく見る女子高生」の演技もしていた

 

起こったこと④ 「秘書すぎて逆に」疑われる秘書

こちらの女性の職業は「秘書」

 

これに対する会場の反応として

  • 「秘書らしさ」がすごい
  • なんかエロい
  • 平社員が「オレが社長になったらこういう秘書を雇おう」って妄想する秘書だ
  • 本人の雰囲気や服装やアクセサリーなど、全て「秘書に寄せた感」がある。
  • なんかエロい

などがあった。

 

僕は会場を代表して

秘書って、なんかエロいですよね。

と言いに行ったが、

それは、AVの見すぎですね。

と、一刀両断されてしまった。

 

終始、この秘書は「あまりにも秘書らしすぎる。あとエロい」という理由でかなり疑われていた。

 

ただ、フタを開けてみればこの秘書は村人で、実際に秘書であった。

異業種交流会人狼では、あまりにもイメージ通りすぎると逆に疑われるという現象が発生する。これから参戦する人は参考にされたい。

 

起こったこと⑤ 謎の職業「アクチュアリー」

こちらの男性の仕事は「アクチュアリー」。

アクチュアリーって何?と聞くと、

「ざっくり言うと、金融に数学を駆使する人ですね。例えば保険って、事故の確率を考えて料金を決めないといけないじゃないですか。そこに数学が必要になるので、僕らの出番なワケです」

と、小難しそうな返答が返ってきた。

 

これに対して、会場は不満タラタラ。

 

「そんな専門的なこと言われたらツッコミにくいよ……」

 

Tips:謎の職業の人がいると、ツッコミにくくて困惑する

 

 

起こったこと⑥「この三色ペン持ってるヤツは先生だから!!」

数学教師だというこちらの男性、確かに先生らしい雰囲気はあるが……参加者たちの容赦ない追求は襲ってくる。

 

「ホントに先生なんですか〜?」

 

その追求に対して彼が放った回答が、これだ。

 

「ホントだって!ほら!この三色ボールペン、先生が持ってるヤツじゃん!」

 

なんか知らないがこの回答がみんなのツボに入り、一同を爆笑させた。人が苦し紛れになる姿は、面白い。

そしてこの「先生が持ってるヤツ」という主張は、何の根拠もないにもかかわらず説得力がある。この理屈を聞いたみんなは爆笑しながら「たしかにな…」という空気になった。

勢いのある苦し紛れは、理屈を凌駕する

そんなことを考えさせられるワンシーンだった。

 

ちなみに、この「先生が持ってるヤツ」理論で人気を博した先生はその勢いのまま

「おい、キミはうちの生徒だろ!!こんな夜中に何やってんだ!」

 

女子高生を注意する生活指導というコントを始めた。

 

Tips:ごまかした勢いのままコントが始まる

 

起こったこと⑦ 詰められる投資家

「日本株と不動産を中心に投資をしています」

こちらの男性は、「投資家」らしいのだが、あまり投資家っぽくない

 

終始、疑いの目を向ける人が絶えなかった。

疑われながら「アフリカの証券口座は現地に行かないと作れなくて……」みたいな話をしていた

 

この「投資家」について寄せられた意見はこんな感じ

  • 「金持ってないのに持ってる感じを出す人」の典型だと思った。
  • 投資について知識を喋りすぎている。浮気してる人みたいだ。怪しい
  • そもそも顔がうさんくさい
  • 「千葉の一軒家が熱い!」みたいなこと言ってたけど、そうは思えない。千葉なんて衰退するだろ

突然の千葉県ディスりが飛び出すほど、白熱した問い詰めになったようだった。

 

あと、先ほどのセクシー秘書にも問い詰められていた。

「ホントに投資家なんですかぁ?」

 

この時の投資家は心なしか嬉しそうな雰囲気であった。

 

投票と、人狼の発表

そんな、疑念の渦巻く90分の交流タイムはあっという間に終了した。

村人たちは人狼と思われる人の名前を書いた紙を投票する。

こうして投じられた全ての票を集計し、正解が不正解よりも多ければ村人の勝ち、不正解の方が多ければ人狼の勝ちとなる。

 

さて、投票が終わったらあとはネタバレしてもいい時間である。

満を持して、人狼に出てきてもらった。

投資家がドヤ顔で真ん中に出てきたのが腹立つ。あんた、女子高生に次いで2位の得票数だったからな!

 

女子高生と投資家にはほぼ全員が投票していた。それ以外の人狼は割とうまく隠れていた。

前述の通り、発破技士は2票しか投じられておらず、ほとんどの人から疑われていなかった。すごい技術だ。

 

起こったこと⑧「人工知能って言い出すヤツはサギ」

人狼の発表後、参加者から声が上がった。

ええっ!!あの広報の人は人狼じゃないの!?

 

そう、先の「広報的な人」が、めちゃくちゃみんなから投票されていたのだ。

「広報的な」という曖昧な言い方が災いしたか

 

彼女は人工知能関係のベンチャー企業で広報的な役割をしているらしいが、なぜこの人が怪しいと思ったかを参加者に聞いたところ、

  • 言うことがボヤッとしてた。「的な」ってお前。
  • 「友だちをつくるのが仕事です」みたいなこと言ってた。そんな仕事ある??
  • 人工知能って言い出すヤツはサギ

という意見が並んだ。

 

「人工知能って言い出すヤツはサギ」はとても良いフレーズだと思う。ちょっと分かる。僕も人工知能の話をされると「うさんくせえなこいつ」と思うから。

 

また、「ボヤッとしてたからウソ」という意見には、本人から大いに反論があった。

「その決めつけはあんまりじゃない!?」

彼女は「ウソつくんだったら、こんなにボヤっとしたこと言わないでしょ!?ボヤッとしてるってことは真実だからだよ!実際にボヤッとした仕事なんだよ!」と言っていた。

自分の仕事がボヤッとしてることを力説する人、初めて見た。

 

起こったこと⑨ 一部の人が天然の「狂人」になった

「広報的な」の女性と「秘書」の2名は、(村人であるにも関わらず)「圧倒的に怪しい」という理由でほとんどの人に票を投じられていた。

ゲームとして「狂人」という役割は用意しなかったが、結果としてこの2名は多くの村人を混乱させてしまった。天然の狂人であったと言えよう。

なお、その他、誰が誰に票を投じたかのデータを整理したスプレッドシートはこれだ。特に見ても面白いワケではないが、データ参照オタクのあなたは見てみると良いと思う。

 

起こったこと⑩ サラリーマンになる女子高生

あと、女子高生は終わった後に着替えていた。全てが終わった後の彼は、ただのサラリーマンだった。

普段は住宅メーカーの現場監督をしているそうだ。女子高生と一番遠い仕事だった。

「ぼくはJKですよ。J(住宅メーカーの)K(監督)です」

とか何とか、しょうもないことを言っていた。うるせえよ、と思った。

 

 

余談:A4ぎっしりの設定資料を作った人

終わったあと、人狼として参加していた方に言われた。

「実は私、A4にぎっしり架空の設定をメモして、暗記してきたんです」

この方は「売れない歌手」として参加しており、そこそこ上手に周りに溶け込んでいた。

「売れない歌手」を名乗っていた人狼(左)

 

彼女が作ったという設定資料を送ってくれないか頼んだら、すぐ送ってくれた。

 

せっかくなので、その内容も転載しておく。ヒマでヒマでしょうがない人は読んだら良いと思う。僕は読んでいない

「◯◯の部分は実在の固有名詞なので、伏せてある」らしい

 

≪扉を開けた瞬間から、私は歌手!≫

歌手をやってる33歳。 大学時代アカペラサークルに入っていたが、周りに比べてピッチが甘いことが悩みだった。

ボイトレに通いだしたことで、ぐんぐん上達。音楽仲間のつながりも増え、そこで出会った人と19歳のときに3人組のガールズボーカルグループを組んでいた。

六本木や大塚、池袋の箱で月1〜2回ペースでライブをしていたところ、一番はじめの事務所の社長にスカウトされる。

20歳の頃は結城事務所という、今はなき小さな事務所に所属。20代半ばまでそこに所属しながら歌手活動をしていたが、事務所が倒産。その後、フリーを経て◯◯の関連事務所である◯◯という事務所に所属。

コロンビアからシングル3枚を出したが、なかなか売上が伸びず契約切れ。テイチクエンタテインメントからも1枚シングルを出したが売れずに再び契約切れ。現在は再び代官山の「晴れたら空に豆まいて」というライブハウスを拠点に、月2回くらいでライブをやって、自主制作したCDを売ってる。

ライブの時のバックバンドは知り合いつながり。ギャラは1人1万円(リハ代込み)。 曲調はR&B系がメインだけど、ライブではカバーもやる。

井上陽水とかもR&Bアレンジして歌うから、特に苦手な曲調はない。 悲しいけれど、歌手一本で食べていけないので空いている時間は、ボイトレの先生をやってる。以前所属していた、◯◯に養成所があるので、そこのレッスン生を見ている。生徒さんは大学生がメインだけど、20代後半〜30代もいる。(ボイトレの先生は業務委託)

個人的には、青山テルマさんとかを見ている◯◯先生というボイトレの先生のもとで練習してる。憧れている歌手は特にナシ。唯一無二。

喉はもともと強いから、特別ケアしなくても枯れない。強いて言うなら寝る時マスクするくらい。

今日来たのは、友だちに誘われて。家で制作作業をしてると、世界が広がらないから。 色んな人と接して、いろんな世界を見て、曲作りや表現力を広げたい。

 

この世にある文書の中で、一番しょうもない文書だと思う。

 

まとめ

  • 「うっすら全員怪しい」という不思議な現象が発生する
  • この三色ペンは先生が持ってるヤツ
  • 秘書はエロい
  • 千葉は衰退する
  • 人工知能って言い出すヤツはサギ

 

次回予告

今回と同じスポンサーの元で、毎月変わり種イベントをやっている。12月はこれだ。クリスマスを意識している。

 

詳細は、こちらから。

 

参加申し込みはお早めにどうぞ。参加フォームを書かないと参加確定にならない。

また、今後の変わり種イベント情報に関しては、

するなどして、追いかけてもらえればと思う。

 

以上、長々とお付き合いくださってありがとうございました!!

 

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Ken Horimoto
堀元 見

仕事は「新しいあそびを作ること」。異常なイベントを企画したり異常なWEBサービスを作ったりしながら生計を立てています。

好きなものはトンカツとインターネット。あと人の悪口。(性格が)悪そうなヤツはだいたい友達。

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