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強制的に予定を守らされる監視社会を作る-「JAILER」運営者の見る未来とは?

面白いもの

大事なのは、「そのうち、なんとかするよ」のひと言に、どれくらいの感情的な腕力をこめられるかだ。

本当に感情的なひと言は、そのつまらない頭でっかちな議論をふっとばすくらいには、力を持っているはずだ。

 

大学3年生、Kindleを使い始めたばかりの僕が初めてハイライトした文章だ。

僕が何度も何度も読み返しているバイブル「予備校なんてぶっ潰そうぜ」の著者、花房孟胤さんは、本当に素晴らしい文章を書く。

 

 

多分、人生で一番影響を受けている本だ。すごく気合を入れて書評を書いたりもした。

最高の青春起業物語「予備校なんてぶっ潰そうぜ」の負の描写がすごすぎる

 

花房さんは、「マナビー」という受験生向けの授業動画を配信するWebサービスを作った創業者だ。

著書「予備校なんてぶっ潰そうぜ」では、そんなマナビーを作っていく過程の大いなる苦しみや、たくさんの発見、失敗などがリアルに描かれている。

「予備校なんてぶっ潰そうぜ」は、”最もリアルな起業伝”だと思う。僕はザッカーバーグではないし、あなたもそうだ。そんな僕らが起業したときには、映画「ソーシャル・ネットワーク」のような劇的なドラマは生まれない。

そうでなく、もっと小さな規模での辛い戦いが続く。心が張り裂けそうになる離別や、明日の資金繰りが上手くいかない困窮など、泥をすするような毎日が待っている。

花房さんは著書の中で、そんな毎日を巧みに描き出している。僕が彼の大ファンになったゆえんだ。

 

先日、そんな著者の花房さんから突然メールをもらった。驚きだ。彼も僕のことを知っていた。

気づけば、僕がかつて書いた彼の著書の書評は、検索順位を順調に上げて、「花房孟胤」と検索した時に2番目に表示されるようになっていた。

そんなこともあって、花房さんは僕のブログを見つけてくれたらしい。ブロガーでいてよかったと心から思う瞬間だ。

 

そんな一通のメールをきっかけに、会談をすることになった。

 

事業は「情熱がないこと」が重要

堀元
まずはお会いできて光栄です。本当に、「予備校なんてぶっ潰そうぜ」は僕にとっての最高のバイブルで、何度も繰り返し読んでいます
花房さん
恐縮です
堀元
本当にもう……僕は大学三年生の頃に教育を変えたいなと思っていて、その頃に読んでとんでもない衝撃がありました
花房さん
教育系の人とはウマが合わないことが多かったですけどね
堀元
そうなんですか!?
花房さん
合いませんでしたねえ。志がある人たちって、やっぱり情熱でものを考えるじゃないですか。僕は教育について特別に情熱はなかったので、一歩引いてるんですよね
堀元
はっきり言いますね

 

 

花房さん
でも、事業をすすめるにあたって、情熱がないのは重要だと思いますよ
堀元
お、面白い主張ですね。一般的には情熱こそが重要と思われていそうですが……
花房さん
教育というフィールド自体には情熱がありませんでしたが、僕はmanaveeというプロジェクトには大いに情熱を燃やしました。

その中で感じたことは、 自分にとってあまり大切になると、客観的な判断を妨げるということです

堀元
情熱がかえって足かせになる、ということですね。具体的にはどういったことが会ったんでしょう?
花房さん
たとえば、システム開発を効率化するには、開発者としての自分だけがコードを書く状態を早くにやめるべきです。

しかし、サービスを自分の一部のように思っていると、他人にコードを書かせることに抵抗があったんです。そういう主観的なこだわりで、意思決定が濁ってしまうことがありました。

堀元
なるほど。情熱があると、好き嫌いでものを判断してしまうんですね。それが一概に悪いこととも言えないように思いますが…
花房さん
起業をするとき、自分の好き嫌いでこだわっていいのは最初のコンセプトだけだと思います。コンセプトを固めた後は論理的に正しい決定をし続けるべきです。

だから今回のプロジェクトでは、いったんコンセプトを固めたら、仲間に僕の論理的なまちがいがないか、いつもチェックしてもらっています

堀元
最初のコンセプトだけは好き嫌いで、あとは論理的に」ですね。これは至言ですね。起業家志望は覚えておいた方がいい

 

直接話した花房さんは、鋭い文章のイメージと異なり、とても柔和な物腰の人だった。

しかし、やはり視点は卓越しているな、と思う。彼なりの切り口で物事を見つめていて、はっきりと物を言う。

そんな卓越した視点で、今は何を捉えているのか。

続いて、彼が今手がけている、新しいサービスについて話を聞いていく。

 

作業を監視・強制させられる新サービス「JAILER」

堀元
花房さんが今手がけているサービス「JAILER」を拝見しました。こちらについて色々伺えればと思います
花房さん
ひと言で言うと、アプリを起動して、スマホ越しに作業を見張ってもらうんですよ。サボると怒られる。フリーランスの人とか、資格の勉強をしている人とか、叱ってほしい人向けのサービスです

 

堀元
個人的には、「見張ってもらわないとやる気が出ない」なんてヤツはフリーランス辞めちまえ、と思うので、需要が謎なんですが……
花房さん
きっかけは、僕が監視して欲しかったからです
堀元
へえ!意外!

 

ニュースを見てたら一日が終わる

堀元
著書を拝見した感じだと、花房さんは一心不乱に仕事をしている印象があったので、JAILERを必要とするということが意外に思えます
花房さん
ADHDに近い傾向があるのかもしれません。ハマったら一日15時間平気で没頭できるんですけど、ダラダラしてしまう時も多いです
堀元
そうなんですね!意外!
花房さん
朝起きて、ニュースを見て、ニュースについて色々考えて、昼になったからご飯を食べて、眠くなったから寝て、起きて、更新されたニュースを見て……日が沈みますよね
堀元
完全にダメな人ですね
花房さん
じゃあそんなことしてて楽しいのかというと、全く楽しくなくて自己嫌悪でいっぱいになるなんですよ。だから、仕切り直すために射精して寝ます
堀元
仕事したらいいですよね。なんで射精して寝ちゃうんですか
花房さん
リフレッシュしようかなと思って
堀元
完全にダメな人ですね
花房さん
だから誰かに監視されて、怒られないといけないんですよ。JAILERは本当に僕の欲しいサービスです

 

自分を3日間監禁してみた-JAILERを作る理由

堀元
やっぱり自分が欲しいサービスを作るのがいいんですかね?

一般的には、「起業するときは、自分がいいと思うものではなく、市場が必要とするものをつくろう」と言われていますが……

花房さん
今の世の中をみて売れそうなものを作るという考え方はあってもいいと思います。でも、僕はそれじゃやる気が出ないんです。

やる気が出るのは、自分が欲しいものをつくるときだと思ったんです。自分の困りごとを解決してくれるようなものですね。

僕の場合は、先ほど言ったように「やるべきことが予定通りできない」という困りごとを解決したかったので、その方法を探りました

堀元
その結果、「監視される」ということに達したワケですか?
花房さん
そうです。監視されることで僕の困り事が解決されるかどうか確認しようとおもって、去年の夏、社員に監視役になってもらって実際に3日間、自分で自分を監禁しました
堀元
(とんでもないこと言い出したぞ……)
花房さん
それが、すごくよかったんです。本当は、残りの人生はもうずっと監禁されていたいと思っているんです
堀元
ドMですやん
花房さん
そのためにも、はやくサービスとして安定的に運用しないと、僕が使えるようにならないんです。僕が一番欲しいのに
堀元
自分が一番欲しいものを作る、ということですね。

しかしそれだと、大衆が求めていないものを作ってしまったということになりそうですが、いかがでしょう?

 

「僕は火星人じゃない仮説」-自分の希望で事業を始めていい

花房さん
僕は火星人じゃない仮説」っていうのを個人的に唱えてまして……
堀元
おっ!どういうことですか?
花房さん
基本的には、僕が欲しいサービスは、他の誰かも欲しいはずだ、という仮説ですね。
堀元
火星人じゃないんだから、地球上に近い感覚を持った人もいるはずだ、ということですね
花房さん
そうなんですよ。地球上にたくさん人がいますから、少しくらいは共感してくれる「お友だち」がいるはずなんですよ

自分が欲しいサービスを作ると、それが欲しい人が集まってきますから、自分の欲しいサービスを作るのは「お友だち」を探すということと同義なんですよね。

堀元
あー、そういうことか!それが楽しいんですね!!
花房さん
自分の欲しいサービスを作る喜びは、やはりそこにありますね。友だち探しです

 

「アルゴリズムと闘え」-花房孟胤が今噛みつくもの

堀元
花房さんの会社のWebサイトを拝見しました。「株式会社デジタルデトックス」という社名もさることながら、経営理念がすごいですね。

アルゴリズムと闘え」という扇動的なフレーズ、花房さんらしいなと思います。

「予備校なんてぶっ潰そうぜ」もそうですが、こういった扇動的な言葉選びをするのはなぜなのでしょう?

花房さん
気づくといつもそういうスタンスになっていますね。中学高校と、規則の厳しい保守的な学校に通っていたので、そこで反骨精神が芽生えてしまったようです
堀元
厳しい学校に通っていたのがルーツなんですね
花房さん
高校生の頃は、納得できない規則を守らないというふうに反抗していました。せっかく卒業して自由になったと思ったのに、大学に行っても自分が納得できないものがあるんですよ。そういうものを見つけると、ケチをつけてしまいます
堀元
今まさに噛み付いているのは「アルゴリズム」ということでしょうか。どういうことか説明して頂いてもよろしいですか?
花房さん
はい。認知行動科学とか行動経済学とか、人間の仕組みについて理解が深まるにつれて、それをビジネスに活かす動きが出てきます
堀元
Facebookの「いいね!」とかですよね。人間が夢中になるサービス設計というか。
花房さん
そうです。サービス設計者は、なるべくユーザが繰り返し使いたくなるように、工夫を凝らします。

それはユーザにとっては、気づかないうちに自分の認知の仕組みをハッキングされて、サービス中毒にされてしまうことになるんです

堀元
なるほど!そう言われると、売れてるWebサービスもなんだか良いことばかりじゃない感じがしますね
花房さん
はい。本当にユーザが自分の意思でそのサービスを選んでいるのか、疑問に思います。際限なく人間の仕組みをハッキングしてビジネスに活かす姿勢が、僕は気に食わないんです。

それをひと言で表すと、「アルゴリズムと闘え」です。

堀元
なるほど。分かりやすい説明ありがとうございました。

……ただ、そのような大きな潮流と闘って生きていくのは、直感的にはすごく大変そうな気がするのですが

花房さん
まあそうなんですけど、生き方はそんなに器用にいくつも選べないですからね。こうやって生きていくしかない

 

あなたはこれほどはっきり、「自分の生き方はこれだから、こうやって生きていく」と言い切れるだろうか。

花房さんの、自身の生き方に関する言葉はまっすぐで、迷いがない。

彼は誰よりも、自分の内面を見つめている。どうやって、自分についての分析を確固たるものにしたのか。そんな部分に切り込んだ。

 

内省のためなら自分を監禁状態にする-花房孟胤という人間

堀元
ここまでお話を伺ったり著書を拝見して、花房さんはかなり内省的なタイプだなという印象です
花房さん
そうですね。不安になった時は情報を頭に詰め込みたくなりますが、あまりよくないですね。それは情報過多になるだけじゃないかと思います。大切なものは自分の内側にしかない
堀元
これは興味深いですね……。

 

花房さん
内面をよく見るためだったら何でもしたい、という感じですね。自分を特殊な精神状態に持っていくこともいとわない
堀元
それは具体的にはどのような?
花房さん
先ほどの「自分を3日間監禁」などもその例ですね。

現在は、JAILERのプロモーションとして、自分をひたすら密室に監禁して、24時間配信するという趣旨のことをやっています

自分を監禁状態にしてその様子をライブ配信する花房さん

 

堀元
おお〜。いいですね!僕こういうの好きです!
花房さん
ありがとうございます。こういう特殊な精神状態に自分を置くことで内面をよく見られるのであれば、一生ここにいてもいい、そのくらいに思ってます
堀元
確かに何か特殊な感覚になりそう。この「物理的に閉じ込める」っていうのめっちゃ面白いですね
花房さん
最初はこれをJAILERのサービスにしようと思ってたんですよ。物理的に閉じ込めるよ、という

 

「物理的な部屋に閉じ込める」サービスを検討していた際の資料

 

堀元
あっ!これめっちゃいい!僕こっちのほうが好きかもです!
花房さん
ホントですか?今僕が名古屋で借りている物件は、いつでも監禁できる準備をしているので、名古屋まで来てください。監禁するので
堀元
(マジかこいつ……)
花房さん
名古屋までの交通費は出します
堀元
監禁したい気持ちが凄い……
こういうのは全ノッカリすることにしているので、近々名古屋で監禁されてきます

 

予定を強制的に守らせるパワードスーツ-花房孟胤の描く未来

どんな未来を望む?

堀元
花房さんが望むのはどんな未来なんでしょうか?
花房さん
起きてる時間を全て強制的にスケジュールに合わせてコントロールされる未来ですね
堀元
怖っ……!ディストピアを感じる……それが理想の生活ですか?
花房さん
理想ですね。つきっきりで強制してくれる人がいて欲しい。これをWebサービスとして担いたい。AIがいくら発達しても、ここには人間に強制されているという感覚が必要になるんです
堀元
個人的には、ちょっと怖いなと感じます。例えば「このスケジュールやりたくないな」って感じる時って、ただのナマケの時もあるでしょうけど、信頼すべき感覚のときもあると思うんですよね。

「やりたくないな」を無理して殺しきっていたら、ストレスがとんでもないことになってしまうような……

花房さん
あー、なるほどなるほど。それは一段レベルの高い話ですね。そういうレベルの判断ができる人はもうターゲットじゃありません
堀元
というと?
花房さん
僕の友人で本格的にADHD傾向の強い人とか、もうめちゃくちゃですからね。「やりたくない」という感覚を解釈するレベルじゃなく、そもそも時間管理ができなさすぎて困り果てている人がターゲットです
堀元
なるほど

 

パワードスーツを着て、次の事業へ行きたい

花房さん
だからもういっそ、行動を強制してくれるパワードスーツがあればいいですよね。「行きたくない!」と思っても無理やり体を動かしてそっちに行かせる
堀元
とんでもなく極端な話が出てきましたね
花房さん
ホントに絶対的に予定を強制するっていうのはそういうことですからね
堀元
そんな花房さんの理想の世界、「予定を強制的に実施させられる世界」が実現したら、どうしますか?
花房さん
それが実現したら、一番最初にサービスをフル活用するのは僕です。パワードスーツを着て、次の事業をやりに向かいたい

 

 

LINEの友だちが4人になってしまった-テストへの協力願い

堀元
今日は大変おもしろいお話をありがとうございました!最後に、依頼があるということですよね?
花房さん
あ、そうなんですよ。実は今、JAILERのテストユーザーを集めておりまして、数が足りないのでそのユーザー集めを手伝って欲しいのです
堀元
テストユーザーくらいなら、知り合いだけで何とかなりそうな気がしますが……
花房さん
僕、今、LINEの友だちが4人しかいないんですよね
堀元
4人!?なぜですか?
花房さん
「自分を監禁する」の一環で、社会とのつながりを減らす意味で、SNSをやめてしまったんですよ。そしたらほとんど友だちが残らなくて……
堀元
(悲しい……)
花房さん
ですので、今は友だちが本当にいなくて困っています。どうか告知にご協力頂けると幸いです
堀元
サービス作りは「お友だち探し」だという話がありましたが、そのためにも友だちが必要だったということですね。笑

 

友だちがいなくなってしまったとざっくばらんに語る彼は、一ヶ月後までに、100人のテストユーザーを集めたい、と言っていた。

ざっくばらんに、しかし確かな信念を持ってビジョンを語る彼に、僕は大いに好感をもった。彼の計画が上手くいけばいい、と心から思う。

そこでこの文章を読んでくれたあなたに、お願いしたい。

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花房孟胤を応援したいという気持ちでこの文章を書いている。かつて、彼の著書に何度も何度も僕が勇気づけられて来たように、僕も彼のサービスが軌道に乗る一助になりたいと思っている。

 

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