こんにちは。イベントを企画したり、変な文章を書いたり、変なWebサイトを作ったりしながらテキトウに生計を立てている堀元と申します。
最近は企画屋もやりつつ、Webサービスもやっていこうかな、みたいなことを考えておりまして、この度、自分でプログラミングもやってゼロからWebサービスを作りました。
これです。
「kenasu ~ みんなの悪口作成サービス」という、この世の終わりみたいなサービスです。
【悪口投稿サイト「kenasu」を作ったよ!】
人の悪口を言ったり読んだりするのが好きすぎるので、「kenasu」というWebサービスを作りました。・自分の悪口を募集する
・人の悪口を言う
・人が言われている悪口を一覧で見るなどが可能です。性格悪い皆、使ってくれ!https://t.co/l5K4EpW8ll pic.twitter.com/hczBg1pSpx
— 堀元 見@企画屋 (@kenhori2) September 16, 2018
大体そういう感じのサービスなんですけど、リリースして1日で90件ほどの悪口が飛び交ったようです。
その内、僕に向かって飛んできたのは30件ほど。
「顎がシャクれてる」だの「盛れた写真をアイコンにするな」だの「胡散臭い」だの「昔の方が良かった」だの、悪口がいっぱい集まってきて地獄のような状態になりました。
僕のkenasuページでは全部の悪口を見られるので、ぜひみなさんご覧ください。あと、悪口の投稿もできるので、投稿したくなったら悪口を追加しておいてください。
さてさて、そんなkenasuですが、「何のために作ったのか?」という話をします。
ざっくり言うと3点でして、
- (ブロガー界とかの)つまんねえものを褒め合う感じが嫌。逆張りするプレイヤーが必要。
- 「エンタメとしての悪口」が好き
- 勉強がてら、Webサービスをゼロから作る経験をしてみたかった
という感じですね。これらの目的を果たすのに多少なりと成功したのではないかと思っています。
また、それぞれの目的を多少は達成できて、色々と発見もあったので、ブログにしてシェアしたいと思い筆を取りました。
以下、詳述していきます。
①(ブロガー界とかの)つまんねえものを褒め合う感じが嫌。逆張りするプレイヤーが必要。
僕、ホントに嫌なのが「クソつまんねえコンテンツを褒め合う現象」なんですよ。インターネットだと、ブロガー界とかに特に多い。
あとはまあ偏見ですけど、小さいライブハウスを根城にしてるクソみてえなバンドマンとか、小さい劇団に所属してるクソほど売れない役者とかの間でも発生してそうです。僕の観測範囲に入ってないので偏見ですけど。
この現象を上手い言葉で表現しているのが、「駄サイクル」です。
素晴らしい表現。僕はこのマンガを読んでから頻繁に「駄サイクル」という言葉を使うようになりました。
で、僕は度々この「駄サイクル」を見ていてホントにしんどいなと思う部分がありました。
特にブロガー界はひどい。薄っぺらいヤツが作った薄っぺらいコンテンツに「面白い!」「すごい!」「よき!」みたいな薄っぺらい褒め言葉がついていくのが地獄絵図だなと思いながら見ていました。
誰とは言わないですけど、「オッケーイ!」みたいなことを繰り返し言うあの人の界隈とかは特にキツイですね。タイムラインに彼を褒めるツイートが流れてくる度に、【勘弁してほしいな】と思っています。
多分、インターネット発信界隈の構造的な問題なんですけどね。褒めるコストは小さいのに、表面上仲良くしておいて拡散してもらうという便益は大きい。
だから褒め合いが発生する理屈は分かるんですけど、君らは本当にそれでいいのか、と。つまらないものを「面白い面白い」と持ち上げるの気持ち悪くないかと。
そんなような駄サイクルに対して嫌な思いをしていたある日、あるサービスが始まった情報を目にしました。
【紹介文作成サービスpomeruを立ち上げました!】
フォロワー数とかレビュー数とか、個人の評価が”数字”で起こってほしくない。人の評価はもっと定性的なもので、一人の強い想いは「数」で表せられないはず。そんな考えから始めました。たくさんの人に広がってほしい!https://t.co/DY1CNNnnaB #pomeru— 金田謙太@1月リリースの新規Webサービス開発中 (@kenta_global) September 2, 2018
と思い、僕も始めてみました。すぐに何件か褒め言葉がやってきて嬉しい気持ちになりました。
サービスの設計はシンプルながら、とても良いと思います。似たサービスで「マシュマロを投げる」とか「ホメ箱」とかありましたけど、アレは匿名でしたからね。
褒め言葉については実名で見られたほうが嬉しいです。pomeruは設計としてイケてる。
ところが、サービスは良いなと思う一方で、タイムラインは地獄でした。駄サイクルが普段の4割増で訪れていたのです。
pomeruを利用して、無の人間が無の人間を「いつもホントに面白い企画!」みたいな褒め方をしており、
という気持ちになりました。
ということで、逆張りで「悪口を投稿する」というサービスを作ったらいいんじゃないかなと思いました。
いつもは駄サイクルにいる彼らに悪口を言い合わせたいなという気持ちとその場で盛り上がった悪ノリで、作ることを決めました。
ポメルを始めた途端フォロワーが10名ほど減ったので、やっぱり僕は「怒り」とか「悪口」とかを期待されているキャラクターなんだな……。
「ポメル」の反対で「ケナス」っていうサービス作るか……。
悪口を投稿できるサービス。作ったら需要は
— 堀元 見@企画屋 (@kenhori2) September 3, 2018
悪ノリの元になったアンケート。賛否両論って燃えるよね。
反省点:匿名性が必要
まあ作る前からうすうす分かってたんですけど、本当の意味でこの「駄サイクルに対する楔を打ち込む」をやるためには、匿名で悪口を書ける必要があるんですよね。
サスガに実名で「お前全然面白くない」とは書けないですからね。人間には社会性というものが備わっているので。
実際、僕のkenasu内にもめっちゃその不満がいっぱい寄せられました。
これはまあ完璧におっしゃる通りなので、近々匿名機能も実装しようかなと思ってます(飽きなければ)。
ただ、サービスへの不満が【そのサービス内への投稿】という形で表出するの、エコシステムって感じがしてすごくいいな、と思いました。
でも意味はあった
そして、クリティカルでないにせよ、駄サイクルへの楔を打ち込むことに多少の意味はあったかなと思ってます。
「お前全然おもしろくない」とは言えないまでも、「話が通じなくてイライラする」とか「リプライの内容が薄い」とか、冗談でありつつも少しばかり本当の不満が表出している感じがあり、駄サイクル牽制に多少は貢献したのではないかと。
匿名だと「お前面白くない」みたいな身も蓋もない意見が言えますが、実名だと「ここがダメ」と、ダメ出しの形になることが多く、どちらかというとフィードバックサイトとして機能した感があります。
これは意外な発見でしたね。「完全実名で悪口を言わせると、人はフィードバックを言いがち」でした。これはkenasuの裏テーマかもしれません。
②「エンタメとしての悪口」が好き
あとは純粋に僕の性格が悪いんだと思いますが、エンタメとしての悪口が好きなんですよね。
仕事の愚痴とかは聞いてても面白くないのでやめて欲しいんですが、共通の知人(嫌いな人)についてボロクソ言い合うのってめっちゃ楽しいですよね。
皆が悪口言ってるのを見るのも好きなので、kenasuの各ユーザーのホーム画面を見るのも楽しいです。
友人が友人に、愛情表現の悪口(ただし3割くらいは本気)を送っているのを見るのも楽しいし…
知らない人が知らない人に悪口言ってるのを見るのも楽しい。
気色悪いなこの悪口…。
ちなみに、知らない人の悪口はこうやって見られます。趣味悪い方はどうぞやってみてね!
ちなみにkenasuの悪趣味な使い方として
「https://t.co/gTKDueXxeK◯◯」の◯◯の部分に数字を入れると、ランダムな悪口に飛べます。(現在、152以上221以下が存在)知らない人から知らない人への悪口を見られて楽しいです。
これはさっき僕が発見した良い悪口。趣深いなあhttps://t.co/Puvx2Gb13S— 堀元 見@企画屋 (@kenhori2) September 16, 2018
③勉強がてら、Webサービスをゼロから作る経験をしてみたかった
今回の意図としてはこれが一番大きかったかもしれません。
先日からあそびカタンというWebサービスを運営しているんですが、いかんせん自分でゼロからサービスを作った経験がないので、プログラムの基本的な構造がよく分かってないんですよね。
自分でコードをイジるときも対症療法で、必要そうなところだけちょこちょこイジっていました。だから全体像は分かってません。
これはあまりよくないので、なるべく全体像を理解したほうがよい。かといってコードを一つ一つ読んでいくのも何か退屈な作業だしあまりやりたくないな……ということで、勉強がてらゼロから新しいものを作ってみたかったのです。
また、僕は大学こそ情報工学科だったのでプログラミングをやってたんですが、いかんせん一年間山奥の土地で村を作ったりしていたので、プログラミングに関してブランクが非常に大きかったです。エンジニアとしての実務経験もありません。
そこで、エンジニアとしてのリハビリも兼ねて一念発起、やることにしました。
で、自分で作ってみたところ、普通にめちゃくちゃ楽しかったし勉強になったので良かったなあという感じです。
これはオススメです。IT企業にお勤めのエンジニアの皆さんはやった方がいいし、何なら非エンジニアの皆さんもやった方がいいと思います。
ちなみにかかった時間は合計55時間くらいだと思います。正確には測定してないのでよく分かりませんが…。
といっても、この55時間のうち45時間くらいは学習に使った時間です。有り体に言うとググってた時間ですね。
学習した主なトピックはこの辺。
- Laravel(今回使用したPHPフレームワーク)の構造をちゃんと理解する
- Twitter APIを用いたログイン認証とログイン周りのシステム
- Imagickを用いた画像生成モジュール
全部完全に初めてだったので、いちいち「へえ〜!こういう仕組みになってるんだ!」って感心しながら作ってました。
プログラマーの間の黄金の掟として「ググれば大体のことは分かる」というものがありますが、まさにそれを痛感する一週間でした。ググってたらこの画像が自動生成できるようになったときは感動したわ。
僕は大学で基礎的なプログラミングを終えていたので【phpの基本的な部分】とかは学ばずに済んだんですが、仮にこれがなかったとしても多分2倍〜3倍くらいの時間で完成したような気がします。
この規模のサービスなら事前知識ゼロでもせいぜい150時間くらいでできると思います。一日3時間だとしても50日で完成するし、その割に学習効果は甚大なので、非エンジニアの人もぜひやったらいい。
「自分でWebサービスを1つ作ったことがある」というだけで大まかな動作イメージも湧きますし、技術的な部分以外でも「ユーザーをどうやって獲得するのか?」「ユーザーの求めているものは何か?」と考える機会にもなります。
しかも、一発当たると儲かります。
オススメの勉強なので、IT企業にお勤めの皆様、特に自社サービスを運営している皆様、空き時間に自分でサービスを作ってみてはいかがでしょう。
まとめ
以上、今回kenasuを作った目的3点と、それにちなんだ発見まとめでした。
今後もkenasuは飽きるまでちょこちょこアップデートしていこうと思いますし、匿名機能を実装するなど、もっと世紀末感があふれ出るサービスにしてきます。
さあ、ギスギスした世界を作るぞ!
記事を読んで、堀元をホメたくなった方はこちらからどうぞ→堀元見のpomeru
記事を読んで、堀元をケナしたくなった方はこちらからどうぞ→堀元見のkenasu