生涯フラフラ遊んで生きる宣言をしているため、大学生から様々な質問を受けております。堀元です。
さて、やってくる質問ランキング1位は「その発想力はどこで身につけたんですか?」というあまり盛り上がらない質問です。
で、2位が「老後どうするんですか?」です。
25歳の僕は40年後の老後のことなんて何も気にしてないのですが、相談に来る20歳の大学生は気にしてるらしいです。
この質問、頭の悪さが全開であまり答える気力がないんですが、あまりによく聞かれるのでブログにします。
「老後どうする問題」はイシューではない
答えの前に、老後について考えるのは愚かであるという話をします。
「イシューからはじめよ」という本を皆さんはご存知でしょうか?
この本、僕は大学生のときに読んで感銘を受けました。
イシューとは、取り組む価値のある、いい問題です。
「イシューからはじめよ」は、ほとんどの大人はイシューじゃないもの(悪い問題)に向き合って時間をムダにしているから、イシューを見極めよう、という本です。
さて、本書で定義されるイシューの3条件は
- 本質的な選択肢である
- 深い仮説がある
- 答えが出せる
です。
「老後どうするか問題」は、この3条件を満たせません。
それは、
- 予測の精度を上げられない→答えが出せない
- 出る結論の価値が低い(現在の行動に影響を及ぼさない)→本質的な選択肢ではない
という2つの要素によります。
したがって、この問題は取り組むべき問題ではない。イシューではないのです。
この問題はイシューじゃないので、問がよくない。考えることはそもそも労力対効果が低いのです。
以下、上記の2要素について見ていきます。
予測の精度を上げられない
激動の時代ですから、2年先のことすら予測するのは極めて困難です。
ここ最近めちゃくちゃ流行ってるスマートスピーカーが2年後どうなるかすら、僕らには分かりません。
数年後のことさえそんな感じですから、40年後のことはもう見通すのは不可能と言っていいでしょう。
まして、「老後幸せになるためには今何をしたらいいか?」という問いに答えるためには
- 老後の自分の幸せが何なのか(自分の変化の予測)
- 老後の世界がどうなっているのか(社会の変化の予測)
の両方を予測せねばなりません。
それはもうめちゃくちゃにハイレベルな取り組みでして、2つともまず的中しないものの両方をそこそこの精度で予想してはじめて、問いに答えを出すことができます。
出る結論の価値が低い
まあ百歩譲って、前の問題に目をつぶったとしましょう。
未来の自分と社会情勢をそれなりの精度で予想できたと仮定しましょう。
老後の幸せのために、今取るべきアクションが予想できたとしましょう。
例えば、僕の老後の幸せのために、今すぐ地方銀行に就職した方がいいという結論が出たとするじゃないですか。
で、じゃあその結論だから、僕は今やってる会社を畳んで、地方銀行に就職するのかというと、全然そうじゃないですよね。
なぜなら、65歳〜85歳の20年間の幸福度を上げるより、25歳〜65歳の幸福度を上げる方が優先度が高いから。
僕は今から地方銀行に就職して働けと言われると、めちゃくちゃ幸福度が下がります。働いたことないから勘なんですけど、多分めちゃくちゃ下がります。
例え、老後の幸福度が10上がるとしても、今の幸福度を2下げるのは愚かです。65歳まで思い切り楽しんで65歳で死んでもいいじゃん。
要するに、答えを出してもしょうがない問題なんですよね。これ。
まとめ
はい、ということで、もういいですかね。上記2点の理由から、「老後どうするんですか?」への回答は「イシューじゃないから考えない」になります。
というよく分からない問答を率先してやっていこうと思います。
それはさておき、「イシューからはじめよ」は良い本なので皆さん是非。大学生の人生相談のほとんどが「それはイシューではないから、あんまり考えなくていいよ!」というものになります。
余談ですが、悩んでる大学生の悩みの大半はこれを読んだら解決する(というか、考えるべき問題じゃねえなってなる)から読んだらいいと思う。
我々は忙しいですからね。イシューに取り組まねばなりません。「老後どうするか問題」みたいなイシューじゃないものに取り組まないように気をつけましょう。