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むだそくんについて

岡崎体育という怪物-ネット社会で売れるための戦術論

仕事論

僕は割と自分が見えている方なので、自分の弱点をよく理解しています。

 

僕の大きな弱点が、”売れる(バズる)ための意欲が低い”ことです。

絶対に世間に受けないであろうイベントをたくさんやってきました。

12時間米粒を数え続ける会とかね。こんなもの人をたくさん呼べるわけがない

 

そんな僕と違いまして、世間には売れるために最高の努力ができる怪物がいるのです。

今日はそんな怪物のひとり、岡崎体育について書いてみます。

彼を分析することで、ネット社会で売れるための戦略が見えてきます。お付き合いください。

 

怪物-岡崎体育とは?

この男が、岡崎体育です。

電気グルーヴに傾倒している、テクノ系のミュージシャンです。

 

しかし、彼は色んな意味で話題に事欠きません。ミュージシャンとは思えないほど、しょっちゅうバズっている

 

一番有名なのは、以下の「MUSIC VIDEO」という曲のミュージック・ビデオです。(ややこしい!)

 

この曲「MUSIC VIDEO」は非常に面白い構造でして、

  • カメラ目線であるきながら歌う。急に横からメンバー出てくる
  • 二分割で男女を歩かせて最終的に出会わせる
  • ラーメン屋の見習いっぽい奴に店の前で落ち込ませておく

 

というように、ミュージック・ビデオあるあるを歌う曲になっています。

上記の動画(「MUSIC VIDEO」のミュージック・ビデオ)は、思わず「あるある!」と言ってしまうような映像の連発で、ついシェアしたくなってしまいます。

笑いどころもたくさんあり、曲・動画がともに完成度が高く、何度もループしたくなります。

僕はこれを見て、岡崎体育という存在を知りました。

 

堀元
天才かよ…!

と思ってしまって以来ずっと、岡崎体育の大ファンです。彼の動向から目が離せません。

 

 

岡崎体育に学ぶ、売れるための戦術論

彼のすごいところを以下に書き出します。

  1. 手数を増やす
  2. 言及したくなる要素(あるある、狂気、予想外)を入れる
  3. 自分のやりたいことは忍び込ませる

 

これ、まんまネットで売れるための戦術論として使えます。

 

手数を増やす

基本中の基本なのですが、インターネットは配信コストがかかりません。

したがって、たくさんたくさん発信すればするほど有利ということになります。彼も自分で影響力を獲得するために、大小さまざまな小ネタを爆発的な量発信しています。

こういう「何やねん!」みたいな小ネタから…

 

自分のアルバムについての小ネタ…

 

いいねをひたすら押すだけのアカウントを開設してみたり…

いいねを押す様子が異様すぎてYahooニュースに取り上げられてました

 

話題性を呼ぶためのネタづくりに一切の妥協が見えません。

 

こういう小ネタの発信をコンスタントに繰り返しているからこそ、こういうとんでもないバズるネタが出現するわけです。

22万リツイートされ、岡崎体育の代表作となった「冷蔵庫のメモ書き」です。

これは彼のコンスタントな発信によるものでしょう。

 

言及したくなる要素(予想外、あるある、狂気)を入れる

岡崎体育が天才的なのは、コンテンツが非常に面白く、しかも言及したくなるという点にあります。

人に話さずにいられない仕掛けが満載なのです。

僕も先日、つい趣味の合う友人に

堀元
なあ、岡崎体育の新曲聴いた?めっちゃ良かったぜ

と話しかけてしまいました。

僕は自分の作るコンテンツが一番好きな自信過剰野郎なので、これはめちゃくちゃ珍しいです。

 

そんな岡崎体育の新曲は、こちら。

 

お、岡崎体育の新曲か…!くらいの気持ちで見始めたら、凄い衝撃を受けました。

 

堀元
えっ…!何これ…!まさかのカッコいい系だ…
堀元
ワンオクみたいなPVだな…カッコいい…
堀元
でも歌詞の内容が一個も入ってこない!!何だこの薄っぺらい歌詞…!

 

と、今までの岡崎体育の世界観のゆらぎに混乱させられます。何か仕掛けがありそうだなと思ったら案の定、サビで訳の分からない展開に突入します。

 

堀元
何なんだよwwwww世界観が分からんwww

 

この感情の振れ幅こそが、岡崎体育が天才的にバズれるゆえんです。

 

「えっ…!何なの…!」という感情を与えてから、予想外を爆発させられるという体験は強烈ですから、どうしても言及したくなってしまいます。

 

更に、岡崎体育はさり気なく「あるあるネタ」も放り込むのも上手い。

あるあるネタがのような普通なら見落としがちな仕掛けも、見つけたことが嬉しくて言及してしまいます。

この「感情のピクセル」一つをとってみても、

  • カッコいい系のバンドにありがちな映像
  • 薄っぺらい歌詞
  • 聞き取れないトランシーバーの声
  • 教育番組のノリ

など、あるあるネタが満載です。

しかも小気味いいことに、こういうあるあるネタでやり玉に上げられる「薄っぺらいカッコいいバンド」とか「NHKの教育番組」を痛烈に皮肉ったりおもちゃにしたりしています。

したがって、彼のコンテンツには世間で受け入れられているものに噛みついていく気持ちよさがあります。

 

また、今言及した「予想外」「あるある」に加えて「狂気」も、岡崎体育のコンテンツの柱だと思います。

それが非常にわかりやすい形で表出しているのが、「FRIENDS」でしょうか。

 

こちらの曲に溢れる狂気は語るまでもないと思うので、是非皆さんご覧ください。

岡崎体育のあらゆるコンテンツ全般を通して流れるこの手の狂気が、人の心を揺さぶって、つい言及してしまいます。

何回見返しても、天才的な構成です。

 

自分のやりたいことは忍び込ませる

岡崎体育は、電気グルーヴに傾倒するテクノミュージシャンであり、彼のやりたいことは本来、テクノであるはずです。

だから、彼のやりたい音楽もちゃんとあるのです。

 

しかし、これを愚直に追求するだけでは、絶対に世間に広がったりしない。

音楽性がいかに高くても、演奏技術がどんなに素晴らしくても、売るのが下手で世に出ないバンドは無数にあります。

彼はその危険をよく理解しているから、上述の小ネタや、拡散される曲を作り続けるのでしょう。

 

これは、普通のクリエイターにはできない非常に巧みな自己抑制です。

世間にウケるものと自分のやりたいことのバランスを絶妙に取りながら、自分のやりたいことも確実に形にしていく。

この要素こそが、世間の多くのクリエイターが岡崎体育から学ぶべき姿勢ではないでしょうか。

かくいう僕自身も、この記事を書きながら、何だよ米粒を12時間数え続ける会って…と反省し始めました。

 

 

まとめ

岡崎体育は、「怪物」です。

非常にクレバーに立ち回り、ネット社会において売れるための王道を走っています。

そして、その中で自分のやりたいこともどんどん世に出しています。

売れたいクリエイターのみなさまは、彼から戦術を学んでいきましょう。

 

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author
Ken Horimoto
堀元 見

インターネットおもしろ雑文オジサンとして生計を立ててます。(性格が)悪そうなヤツはだいたい友達。

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