皆さん、時間をムダにしたな、と思ったことありますか?
僕は昨日、人生で一番ムダな時間を過ごしました。このイベントです。
米粒を12時間数え続ける会
「5kgの米って何粒あるんだろう?」という疑問を解消する会です。
すごく冗談っぽいのですが、本当にやりました。イベントページもあります。
なぜこんなことをすることになったかというと、酒の席の悪ノリを実行してしまったからです。
「コトホギ」というスタンプ職人の友人がいるんですが、彼女と飲んでいた時の会話で
というくだりがありまして、僕は気づいたらイベントページを作っていました。ホントウにやめておけばよかった。
準備
会場は、代々木公園でした。なぜ屋外でやろうと思ったのか、今となっては理解不能です。
しかも、当日は台風が来る予報でした。
5kgの米を担いで、代々木公園を歩きます。
この日はよさこいフェス的なものをやっていて、老若男女色んな人が入り乱れていました。
そんな中、米を担ぐ僕たち。よさこいの人たちの迷惑にならないような場所を探すためにかなりさまよいました。
代々木公園は、米数えスト(米を数える人)に優しくないのです。米数えストの皆さんはお気をつけ下さい。
しばらくさまよった後、米を数えるのに適した場所を見つけました。
奥に少しだけよさこいの人たちが見えます。
よさこいの人たちは、僕たちが米を数えているのを不思議そうに見ていました。
「お姉さんも一緒に数えますか?」と声をかけたところ、「大丈夫です!!」と強めに断られました。
数え始める
準備ができたら早速数え始めます。
最初の5分は、不思議な興奮に包まれました。手のひらいっぱいの米を少しずつ数えていくという新しい感覚に、妙な楽しさを覚えます。
ちなみに、昨日一日を通して、米粒を見るだけでおよそ何粒なのか分かるようになりました。
数える様子
こちらが数えている様子です。
動画にしてみましたが、終始米を数えているだけで本当に何も起こりません。
たった1分の動画ですが、全部見るとすごく時間をムダにした気持ちになります。
指の隙間の米
やってる内に気づいたのですが、数えていると指の隙間に入った米粒が大敵になります。
隙間の米粒は、取りにくいし数えにくい。
人の指って、こんなに米が挟まるんだな
という気づきがありました。変な遊びをしているときのこういう新情報がたまらなく好きです。
会話
あと、びっくりするくらい会話が少ない。なぜなら会話に集中すると何粒まで数えたか忘れるからです。
しかし、「忘れてはならない」ということを逆手に取って会話を楽しみました。
ちなみにこの後、「大政奉還は何年?」等の年号系も流行りました。
数え方が生まれる
単純作業は30分くらい経ってくると大抵熟練して来るものです。
この米を数えることにおいても例外ではなく、かなりの早さで米を数えることができるようになりました。
そして、やっている内に色々な数え方が発生してきます。
数え方は、二つに大別されます。「A 静的な数え方(スタティック カウント)」と「B 動的な数え方(ダイナミック カウント)」です。
A 静的な数え方(スタティック カウント)
米粒を視認して、1つずつ数える手法です。
米数えストが最初に通る道であることから、「米数えストの登竜門」と呼ばれることもあります。
スタティックカウントのメリット
- ゆっくり自分のペースで数えられる
- 米塊(べいかい)に強い
- 米が飛び散りにくい
スタティックカウントのデメリット
- 飽きやすい
- 「この米数えたんだっけ?」ってなる
B 動的な数え方(ダイナミック カウント)
これは、手から米粒を落としていき、落ちていく米を数える手法です。
熟練の米数えストが最終的にこの手法に行き着くことから、「米数えストの終着駅」と呼ばれています。
ダイナミックカウントのメリット
- 目線を動かすことなく米粒を数え続けられる
- 「この米数えたっけ?」がなくなる
- 米が飛び散りやすい
ダイナミックカウントのデメリット
- 動体視力を要する
- 少しずつ米を落としていく精妙な手の感覚を要する
- 米塊(べいかい)が落ちた際、「今の3粒か?4粒か?」となる
また、このダイナミックカウントは、更に二つに分類されます。
B-1 ハイダイナミックカウント
高さのあるダイナミックカウント。位置が高いことによって数えやすいというメリットがある。
反面、風には極めて弱い。
B−2 ローダイナミックカウント
低い位置からのダイナミックカウントである。高さがないので数えにくい。
一方で、風が吹いてもびくともしないというメリットがある。
今回、台風が接近していることもあり、我々は最終的にはローダイナミックカウントで数えることにした。
昼休憩と絶望感
朝からずっと米を数えていたので、13時頃には肩こりがとんでもないことになりました。
更に言えば、なぜか米に触れたくなくなるという謎の現象に体を蝕まれ始めたので、一旦休憩にしました。
昼はグリーンカレーうどんを食べました。ちょうど代々木公園ではうどん祭りをやっていたからです。
大変美味しかったのですが、ダラダラ食べながらダラダラ喋っていたので、気づけば1時間以上が経過していました。
ここまでの経過
ちなみに、昼休憩に入る時点で、米は16000粒数えていました。
16000粒の米なのですが、感覚的には2合くらいです。
米はおそらく一割も減っていない。
午前終わってこれだから絶望感だけがある
終わりが見えない…#米粒を数え続ける会 pic.twitter.com/0iT5rCAcYg— 堀元 見@企画屋 (@kenhori2) August 28, 2016
人数が増えて少しやる気が復活
しかし、午後から人数が増えてきて、やる気を感じ始めました。
これなら行ける!!
こちらがその時のタイムラプスです。
2人→3人→5人と、人数が増えてから明らかにペースが上がっています。
30000までいきました!#米を数え続ける会 pic.twitter.com/mcdfMk2kt4
— 堀元 見@企画屋 (@kenhori2) August 28, 2016
そして、無事3万粒を突破!!
しかし、しばらく時間が経ってから、参加者の一人の服部くんから衝撃の発言が出ます。
絶望の夕方
びっくりするくらい弱気な発言をイベントページ内でしてしまいました。
ちなみに「上回り」ではなく「下回り」が正しいような気がしますが、当時はそんなことにも気が回らないほどの混乱状態でした。
惰性の数える作業
一応、惰性で数えます。
が、心はもう「台風来ねえかな?」でした。根が真面目な僕たちは「やーめた!!」とはできないのです。
しかし、米粒にはもうあまり興味が無く、主に昔のバイトの思い出とかを語りながら数えていました。
そして…
非常に残念ながら、途中で終了しました。
結論
数えた米粒:33000粒
数えた時間:7時間20分(内、昼休憩が1時間10分)
堀元個人結果
堀元が数えた米粒:7800粒
最初の30分で堀元が数えられた米粒:618粒
中盤の30分(最盛期)で堀元が数えられた米粒:980粒
最後の30分で堀元が数えられた米粒:600粒
意外にも、最初の30分と最後の60分が同じくらいという結果になりました。
モチベーションMAXの時とモチベーションゼロのときの比較ですから、最後は思った以上に米粒数えストとしての実力が高まっていると分かります。
コトホギ個人結果
コトホギが数えた米粒:17052粒
最初の30分でコトホギが数えられた米粒:1351粒
中盤の30分(最盛期)でコトホギが数えられた米粒:1692粒
最後の30分でコトホギが数えられた米粒:1642粒
彼女の圧倒的な米数え力に驚愕しました。何と僕の2倍以上数えています。
しかも、最後の30分も全く効率を落としていません。
あんなに適当に会話をしながらだったのに、この数は凄まじいです。
5kgの米を数えるために必要な作業時間の見積もり
さて、今後のために、5kgの米を数えるために必要な時間を見積もっておきましょう。
コトホギは例外として、一般的な米数えスト(堀元)は、一時間あたり何粒数えられるんでしょうか?
7800粒(堀元の数えた米粒) ÷ 6時間10分(正味作業時間) = 1265(粒/時間) = 21.08(粒/分)
休憩時間を除くと平均で一時間1265粒程度数えられるようです。
おそらく12万粒前後なので、一般的な米数えスト一人だけで作業を行った場合、
12万 ÷ 1265 = 94.86時間
すなわち、ほぼ丸4日間かかるということになります。
これから米を数えようとする駆け出し米数えストの皆さんは、この見積もりを参考に計画を立てましょう!
読んでくださってありがとうございました!
世界を面白くしよう!