こんにちは。”あの村”村長の堀元です。
先日気づいたのですが、僕は「ワークショップを作る」ことが大好きかつ得意なようです。
学生時代は塾講師として理科実験をやったり一風変わった授業をしたり。
去年はイベンターとして不思議な体験をさせる場を作ってた。
今年はあの村のワークショップ作りをやってる。僕は「ワークショップの設計」を5年やり続けてるんだな。ワークショップ設計には一家言あるぞ。ブログ書こう。
— 堀元 見@あそびカタのプロ (@kenhori2) March 1, 2017
ワークショップの設計って非常に悩ましくもあり難しくもあるんですが、抑えておくべきコツがあります。
コツさえしっかり理解していれば、ある程度のクオリティのものはできますから、今日はそのコツについて書いてみます。
自分でイベントをやったり、人に何かを体験させる場所を作ったりする人は是非覚えておいてくださいね!
アイドリングトーク
これ、超重要。喋りに自信がない人は死ぬほど練習した方がいいです。
喋りに自信がある人も、何回か実際に口に出してみる必要があります。僕は喋りにものすごく自信がありますが、必ず家で練習してから現場に向かいます。
その際、気をつけることは以下の点。これを満たしてないアイドリングトークは失格です。
- 超基礎的なところから説明する(対話型が好ましい)
- 何をやるか、何のためにやるかを確認する
- 全体像を理解させる
- 参加者のテンションを上げる
どうでしょう?「難しそう!こんなにやらなきゃいけないの!?」と思いましたか?
やらなきゃいけないんですよ!
ワークショップは、他人に何かを”やらせる”場所です。
あなたが理解している・やる気があるではダメなのです。
人に理解させる・人にやる気を持たせる必要があります。その役割を担うのがアイドリングトークです。
準備の力の30%はアイドリングトークに力を割いて下さい。5分喋るために1時間の準備をしよう。
以下、アイドリングトークのコツそれぞれについて書いていきます。
1. 超基礎的なところから説明する
よくあるのが、
と、いきなり材料や工程の説明になっちゃうパターン。
これは全然ダメですね。なぜダメなのか?
あらゆるイベント・ワークショップに共通するのですが、参加者は思ったより何も知りません。
主催者だけは、
と過信しているのですが、残念ながら参加者は何も知りません。参加者のテンションは、
くらいのものです。イベントページの説明なんてろくに読んでないと思った方がいい。
だから、オススメは、「超基礎的なところから、対話型で説明をしていく」ことです。
という感じ。対話型なら、参加者の理解度も分かるし、アイスブレイクにもなるし、メリハリのある説明ができるという一石三鳥です。
2.何をやるか、何のためにやるかを確認する
という風に、やる理由を与えてあげましょう。
何を学ぶのか?なぜそれをやるのか?
人は目的が見えないとモチベーションが湧かない生き物ですから、最初にちゃんと説明しましょう。
3. 全体像を理解させる
ワークショップに限らず、人に何かを教える時は全体像を理解させるのが超重要です。
から始めるのではなく、
- 薪を入れる焚き口
- 空気が入ってくる吸気口
- 熱が出て行く煙突
の3つの要素が必要になります!まずは薪を入れる焚き口を作るために、パイプを刺します!
という風に、全体の作業の中で何をやっているのか?は常に意識させなければなりません。
人は、何なのか分かってないものを作ると、効率が悪くなります。
「とにかくパイプをさせ!」と言われた時は、何も考えずにパイプを突き刺すだけでしょう。でも、何のためのパイプなのかわかっていれば、
と、参加者が創意工夫できます。これこそがワークショップの面白さであり、学びにつながる部分です。
しっかり全体像は理解させましょう。
4.参加者のテンションを上げる
アイドリングトークが堅苦しそうだったりすると、参加者のテンションが上がりません。
と思わせてしまったら負けです。
という印象を与えないとダメです!
この印象を与えるために一番効果的なのは、あなたが楽しそうにすることです。
と、感動ポイントやおもしろポイントをしっかり伝えましょう。
また、未来を見せるっていうのも良いですね。
とかね。
「自分なら、この説明でテンションが上がるか?」を常に問い続けるといいでしょう。
時間管理
もうね、超重要。ワークショップの構築=時間管理と言っても過言じゃないくらい。
失敗するワークショップは大抵ここがグダグダなんですよ。
と見積もっている程度では甘い。
事前に、徹底したタイムスケジュールを作っておいた方がいいです。
一番遅いチームは何分でどこにたどり着いているのか?速いチームは?
遅いチームのフォローは誰がやるのか?トラブル対応は?それぞれのスタッフは何時に何をしてるのか?
きっちりタイムスケジュールを作りましょう。ワークショップの肝です。
更に、タイムスケジュールごとの参加者のテンションもイメージトレーニングしておきましょう。
そして、この”想定テンション”に合わせて、計画もいじりましょう。
”想定テンション”はすごく大事なので、タイムスケジュールを作りながら是非意識してみて下さい。
参加者のモチベーションを引き出す設計
先ほども言いましたが、ワークショップは”人にやらせる”場所です。
だから、参加者のテンションが低いと有意義なワークショップになりません。
参加者のモチベーションを引き出す設計を心がけましょう。
というツッコミが入るかもしれません。いえいえ、モチベーションを引き出すのは結構簡単です。
以下、モチベーションを引き出すための方法を書きます。
魅力的なゴールを提供する
一番シンプルで効果的なのは、「魅力的なゴールを提供する」です。
ロケットストーブ作りなら、
とかですね。作ったものを魅力的に使える何かを用意するべきでしょう。
ゲーム化する
とか、何か一つ競う要素があるといいですね。ちょっとしたゲーム化はどんな作業でも楽しくする効果があります。
チームで競わせるとより盛り上がります。チームでやる時は是非チーム内での対話が巻き起こるようなルール設計にしましょう。
習熟させる
何回も同じことを繰り返す単純作業(ただし、普段やることのない作業)をやってもらうのはオススメです。
人間は、習熟していくことに喜びを覚える生き物です
だから、”金属にやすりをかける”とか、普段あんまりしない作業を繰り返しやらせるのは
みたいなことになって、結構盛り上がります。
気づきを用意する
アイドリングトークのところでは、「全体像を詳しく説明せよ!」と言いましたが、細かいコツについては一から十まで説明する必要はありません。
「金属を上手に切るコツ」みたいなものは、頑張って説明せずに参加者の気づきに任せましょう。
やってるうちに、
という喜びが湧いてきます。
この喜びこそがワークショップの醍醐味であり、学びです。
だから、何でもかんでも完ぺきに情報を与えずに、「気づく」ように仕掛けるのがいいです。
いわゆる”コツ”関係のものは参加者に気づいてもらいましょう!
クロージングで満足感を与える
最後に、”まとめ”の時間です。
せっかくワークショップが終わった後なので、今日起こったことを使いながら話したいですね。
とか
とかね。
その日に起こったことを振り返りつつ、そこからどんな学びがあったかを確認しましょう。
そして、アイドリングトークで語った”ワークショップの目標”が達成されたことを伝えます。
最初にちゃんと目標を提示して、それが達成されたことを確認して終われば、ワークショップの顧客満足度は飛躍的にアップします。
まとめ
以上、ワークショップ設計の際に気をつけるべきことを書いてみました。
- アイドリングトーク
- 時間管理
- モチベーションを与える設計
- 気づきを用意する
- クロージング
これをきっちりするために、是非皆さんも頑張って準備してみてくださいね!