僕は文章を書いたりイベントを運営したり、理系っぽさゼロの活動をしていますが、大学まではガチガチの理系でした。
そんな僕は、カッコいい理系用語が大好きです。しかも、日常会話の中に放り込むのが大好きなのです。
大学生の頃、先輩と会話していて衝撃を受けたのが発端だと思います。
自然に日常会話の中にカッコいい理系用語を放り込んでくるとインテリ感が凄いです。
これ、やってみたい人も結構いると思うので、今回は17個まとめてみます。解説だけでなく、使い方まで網羅しちゃいますよ!
これを読めばあなたも明日から似非インテリ!!
01 オッカムの剃刀
解説
「ある事柄を説明する時、不必要に多くの前提を置くべきではない」という原則
つまり
シンプルに説明できる理論の方が偉い!
使い方
02 マクスウェル方程式
解説
電磁気学の基本を決める4つの方程式。以下。
つまり
すごい大事な式。意味するところは僕もあんまり分からない。
使い方
オススメは「ダイバージェンスBイコールゼロ」というフレーズです。↑の式で言うと一番上です。実生活で使えそうなのはこの式だけなので、この式だけ覚えましょう。
この式の意味は、「磁石のN極とS極は1セットだから分離させられない」みたいな感じです。
つまり使い方はこうです。
03 ラプラスの悪魔
解説
もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。
出典:Wikipedia「ラプラスの悪魔」
つまり
人間の「考え」とかも突き詰めれば脳内の原子の状態の変化に過ぎないので、ある瞬間の原子の状態が全部分かる存在(=ラプラスの悪魔)がいれば、未来が完全に予測できるはずだ、みたいな考え方です。
使い方
04 ダイクストラ・ショーテストパス・アルゴリズム
解説
最短経路問題を効率的に解くグラフ理論におけるアルゴリズム。 スタートノードからゴールノードまでの最短距離とその経路を求めることができる。
つまり
乗換案内アプリとかが使ってる奴です。
使い方
05 ブアメードの水滴実験
解説
被験者を目隠しさせて、指先にメスで傷をつけて血を流させる。
1時間毎に出血量を医師たちが被験者に告げていく。体重の3割の出血量が告げられた時、被験者は息絶えた。
しかし驚くべきことに、実際には血は一滴も流れていなかった。
血を流したと錯覚させるために痛みを与えて、あとは水を手から垂らさせていただけだった。
みたいな話。ホントにあったかは眉唾ですが、ネット上に何本かの論文は残っているようです。
つまり
人は思い込みで死んだりする。「病は気から」みたいな意味で使える。
使い方
06 NP困難
解説
アルゴリズムのオーダーが多項式にできない問題。多項式時間で解決できない問題。
つまり
解くのがすごく面倒な問題。時間がかかる問題。
使い方
07 悪魔の証明
解説
「ある」とか「いる」は証明するのが簡単である。見つけてくればいいからだ。
「白いカラスがいる」を証明したければ、白いカラスを見つければいい。
一方で、「白いカラスがいない」を証明するのは難しい。地球上の全てのカラスを捕まえて、全部のカラスの色を確認しなければならない。
このように、「ない」を証明するのは難しいので、「悪魔の証明」と呼ばれる。
ただし理系の僕にとって悪魔の証明は完全に上記の意味なので、ここではそう扱うことにする。
つまり
「ない」を証明するのは不可能に近い
使い方
08 ロッシュ限界
解説
ロッシュ限界(ロッシュげんかい、英語:Roche limit)とは、惑星や衛星が破壊されずにその主星に近づける限界の距離のこと。その内側では主星の潮汐力によって惑星や衛星は破壊されてしまう。
つまり
「月が地球に近づける限界」みたいな意味です。
使い方
09 プロクルステスの寝台
解説
プロクルステスは…(中略)…もし相手の体が寝台からはみ出したら、その部分を切断し、逆に、寝台の長さに足りなかったら、サイズが合うまで、体を引き伸ばす拷問にかけた
(出展:ウィキペディア「プロクルステス」)
つまり
「無理やり自説に一致させる」みたいな意味です。
使い方
10 無知に訴える論証
解説
無知に訴える論証(むちにうったえるろんしょう、羅: argumentum ad ignorantiam[1])または無知に基づいた論証(英: argument from ignorance)とは、前提がこれまで偽と証明されていないことを根拠に真であることを主張する、あるいは前提が真と証明されていないことを根拠に偽であることを主張する誤謬である。
出典:Wikipedia「無知に訴える論証」
つまり
「おじさんはモテないから、福山雅治もモテないよ!」は間違い。(「全てのおじさんはモテない」という前提は正しくない)
使い方
11 ホメオスタシス
解説
恒常性(こうじょうせい)ないしはホメオスタシス(英語:Homeostasis、ギリシア語:ΟΜΟΙΟΣΤΑΣΙΣ)とは、生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。
出典:Wikipedia「恒常性」
つまり
風邪が治るのは、僕らの体が健康に保とうとしてるから。これを恒常性(ホメオスタシス)と呼ぶ。
使い方
12 エラトステネスの篩(ふるい)
解説
エラトステネスの篩 (エラトステネスのふるい、英: Sieve of Eratosthenes) は、指定された整数以下の全ての素数を発見するための単純なアルゴリズムである。古代ギリシアの科学者、エラトステネスが考案したとされるため、この名がある。
つまり
素数を見つける便利な方法
使い方
13 セントラルドグマ
解説
セントラルドグマ(英: central dogma[1])とは、遺伝情報は「DNA→(転写)→mRNA→(翻訳)→タンパク質」の順に伝達される、という、分子生物学の概念である[2]。フランシス・クリックが1958年に提唱した[3][4]。この概念は細菌からヒトまで、原核生物・真核生物の両方に共通する基本原理だとされた[2]。
セントラルとは中心、ドグマとは宗教における教義のことであり、セントラルドグマは、「分子生物学の中心原理」または「生物学の中心教義」と呼ばれることがある。
出典:Wikipedia「セントラルドグマ」
つまり
「遺伝情報を持つのはDNAであり、このDNAから遺伝情報が伝達される」みたいな話なんですけど、今回僕が主張したいのはこの話じゃありません。
本来「セントラルドグマ」って「中心教義」って意味なので、生物学にだけ独占されてるのがそもそもおかしいんですよ。
すごく重要な発見について、「これは物理学のセントラルドグマだ!」みたいな言い方をしても良いはずなんですよ。
そんな訳で、こんな使い方ができるのでは…
使い方
14 エヴェレットの多世界解釈
解説
ブライス・デウィットは、ヒュー・エヴェレットの論文に世界の分岐の概念を付加して、多世界解釈と名付けた。 その後、Heinz-Dieter Zehによって提唱されたデコヒーレンスにより、世界の分岐の理論付けがされた。
清水明は、自分自身がどれかひとつの分枝のみを知覚するとする現代多世界解釈は射影仮説と等価なことを仮定しておりコペンハーゲン解釈を言い換えているだけだとしている。
コリン・ブルースは、多世界解釈は非局所的効果を含まないとしている。 和田純夫は、多世界解釈は概念的には確率と無縁になるとしている。
Wikipedia「エヴェレットの多世界解釈」
つまり
「いっぱいある世界のうちの一つだけを僕らは見てる」みたいな意味
使い方
15 コペンハーゲン解釈
解説
コペンハーゲン解釈(コペンハーゲンかいしゃく)は、量子力学の解釈の一つである。
量子力学の状態は、いくつかの異なる状態の重ね合わせで表現される。このことを、どちらの状態であるとも言及できないと解釈し、観測すると観測値に対応する状態に変化する(波束の収縮が起こる)と解釈する。
Wikipedia「コペンハーゲン解釈」
つまり
「エヴェレットの多世界解釈」とほぼ同じ意味だと思う。多分。
使い方
16 ツァイガルニク効果
解説
ツァイガルニク効果(ツァイガルニクこうか、Zeigarnik effect)は、人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象。
Wikipedia「ツァイガルニク効果」
つまり
やりかけのことの方がよく覚えている
使い方
17 ヘンペルのカラス
解説
ヘンペルのカラス (Hempel’s ravens) とは、ドイツのカール・ヘンペルが1940年代に提出した、帰納法が抱える根本的な問題(「帰納法の問題」)を喚起する問題である。
Wikipedia「ヘンペルのカラス」
つまり
「赤いリンゴ」を一つ見つける度に、「カラスが黒い」ことの根拠を一つ見つけたことになる、という話。
使い方
「論理的に正しいけど、おかしく見える話」に対して使うのが良さそう。
まとめ
以上、カッコいい理系用語17選とその使い方でした。
ちなみにこれ、最初は「100選」にする予定だったのですが、体力的にとても無理なので挫折しました。
これはもう皆様のお力を借りるしかないですね!100選を作るためにどうかご協力下さい!
っていうものがある方は、堀元見のtwitterアカウントまでご連絡下さい。
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そして、今回探してる間に「チェーホフの銃」とか「カルネアデスの舟板」とか、カッコいい文系用語もめちゃくちゃ見つけてしまったので。文系版も作りました。こちらも合わせてどうぞ。
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