僕はよく、初対面の人に「あなたの人生の夢は何ですか?」と聞きます。
僕は人生の話が好きです。その人が何を大切にして生きているのか、何を目指して生きているのか知りたいのです。
ここでものすごく僕のテンションが下がる答えは
みたいな答えです。 特に、20代の若者さえしばしばこの言葉を口にするんだからゾッとします。大丈夫かこの国。
いわゆる安定志向っていうんでしょうか。この波風立てずに生きていきたいみたいな答え、ホントにクソつまらないからやめてほしい。 今日はその理由について書いてみます
生きるってことは、平和なことじゃないんですよ
生きるってことは、平和なことじゃないんですよ
これはムーミンの仲間のスナフキンの名言で、僕が愛してやまないフレーズです。
そして、真理だと思っています。生きることに「安定している」なんてあり得ないんですよ。
人生は川みたいなものです。止まっていたらそれはただの水溜りであって、川ではない。川は流れを止めた瞬間に川じゃなくなるんです。 だから、安定させるのは土台無理なんですよ。
川の流れを止めると川じゃなくなるのと同様に、人生を安定させようとした瞬間にそれは人生ではなくなる。
にも関わらず、なるべく止めようと頑張るから、どんどん細い川になっていって、小石や枝が積もって汚い川になっていく。すっきりしない川になってしまう。
あなたの人生がつまらないのは、絶対に安定しないものを無理やり安定させようとしてるからかもしれません。
安定志向の人も実は、冒険を求めている
あなたは自分を安定志向とか言ってますけど、実は冒険したいんですよ。論理的に深く考えてないから安定志向とか言い出すんです。 疑ってるあなたのために、思考実験をしましょう。
小窓の部屋
あなたは物心ついた時から、ドアがなく小窓だけがある部屋で生きていきます
食料や水など、必要な物資は小窓から入れられます。 それだけでなく、本やゲームなどの暇つぶしも入れられて、平穏無事に生きていけます。
この部屋の暮らし、良いと思いますか?
安定志向のあなたの理想の暮らしはこれですか? 違うよね?
なぜ違うんでしょうか。最初に考えられる反論は「自分以外の人がいないこと」です。
では、もう少し書き加えてみましょう。
小窓の部屋02
先ほどの条件に加えて、人が入ってくるドアがあります。
ここからは様々な人が入ってきて、あなたの理想の友人や、理想の恋人、理想の家族がやってきてくれます。
会いたくなったら電話をすれば入ってきてくれます。 もし仲が悪くなったらもう会わなくても良い。また新しい人を頼めば、自分の求める属性の新しい人が入ってきます。
これならどうでしょう?理想でしょうか?
もしかしたら理想だと答えられる人もいるかもしれませんが、それは想像力が欠如してると言わざるを得ません。
断言しますが、この暮らしは絶対に楽しくないし、理想でもありません。
レベルアップが面白い
そもそも、人間は安定した状態を楽しめる生き物ではありません。
もしあなたが、完全にクリアして主人公が最強までレベル上げが終わったゲームを渡されたら、喜んでその続きをやるでしょうか?
きっと、やらないでしょう。
人間は完成して安定したものなど面白くないのです。むしろ、目標に向かってレベルを上げながら突き進んでいくことに魅力を感じるのです。
先ほどの小窓の部屋の例なら、理想の人間関係は外に出て、傷つきながら必死に作り上げるものなのです。そこにこそ喜びがあるし、面白さがある。
旅行がしたい
安定志向の人に夢を聞くと、
と言います。そしてなぜか大抵、
と言います。
そう、旅行って本質的に安定の逆、非日常を体験しにいくことなんですよね。
安定志向の人も、本当は安定なんてつまらないとわかっているのです。安定していないところ、ひいては非日常が面白いとわかっているのです。
ではなぜ、安定志向が生まれるのか
これには原因がいくつもあると思うんですけど、強い要因の1つは周りからの刷り込みです。
良い大学に行って良い会社に入るのが、良い人生だよ
とんだ誤解なんですけど、なぜかそこそこまかり通っているのがこの考え方。
1ミリたりとも当たっていない。しかも問題なのが、素直な若者ほどこれを受け入れてしまうことです。
言われた通りに何となく進学して就職して、死ぬ間際で「何か違ったな…」と考えながら死んでいく。安定志向の呪いの犠牲者でしょう。
このレールから外れると、死ぬよ
僕が「好きな生き方があるならそれをやれば良いのに」と言うと、多くの人は「でもそんな才能無いから…」とか「今戦っていく自信がないから…」と行動を起こさない言い訳を探します。
これも刷り込みなんでしょう。「普通」からはみ出ると死んでしまうという恐怖感。自力でお金を稼いでいかねばならないという恐怖感。
「不安」が冒険を押しつぶす
しかも安定志向の人の周りにいるのは大抵安定志向の人ですから、「会社は3年は辞めない方がいいよ」とか「独立してやっていけるだけの収入ができてから…」とか、何か色々言われます。
言われてる内に、「ああ、やっぱり見切り発車しちゃダメか…」と、やりたかった冒険に蓋をします。
一度冒険に蓋をしてしまったが最後、それからも安定志向の人たちに色々な意見を聞いて、蓋の上にどんどんオモリが乗っていきます。
時間が経つほどどんどんオモリが増えて、蓋は開かなくなる一方です。
挙句の果てに、自分でもその蓋の中に何が入っていたか分からなくなって、「やりたいことがない」とか言い出す始末。人生の夢を語れない大人がまた一人増えました。
そんな安定志向の君の背中を押そう
安心してください、生きてますよ
僕は超見切り発車でフリーランスになりました。とても生きていける見込みがないままとりあえず始めてみましたが、今のところ楽しく暮らせています。
見切り発車で安定と真逆の進路を取った僕ですが、死んでません。
そもそも、現代ではそうそう死にません。仕事を取ってくる方法も無限にあるし、食うに困っていない人がいっぱいいるから、お金をもらえる場合もあるし。
お金を節約するための方法もいくらでもあります。僕はシェアハウスの管理人をしているので家賃はゼロですし、ご飯も色んな人からしばしば奢ってもらいます。
やりたいことは挑戦できる世の中
現代はなんでも挑戦できて、自由に生きたい人にとって最高の環境です。
僕はやりたいことを何でもやっているし、自由に何にでも挑戦できる今、フリーランスになってよかったと心から思っています。
インターネットで資金も仲間も集められて、情報を拡散することさえもできる。
こんな最高の環境で、挑戦しないほうが勿体ないですよ。
不安に押しつぶされないために、本を読もう
それでも不安な皆様に。僕がフリーランスになるにあたって参考になったオススメ本をご紹介。
自分のアタマで考えよう
名著です。いつもするどい視点で社会を考察しているちきりんさんの思考法。
周りの人がやいのやいの言うのが気になる方は、是非”自分のアタマで考える”を習慣化して下さい。
自分でひたすら考えて、論理的に結論に達することができれば、周りの声は怖くなくなります。
年収150万円で僕らは自由に生きていく
プロブロガー、イケダハヤトさんの本。大学一年生の僕はこの本を読んで、”あっ!俺って別に大企業に就職して当たり前の生き方をしなくてもいいのか!”って気づきました。
今でこそゴリゴリの資本家路線を突っ走っているイケダハヤトさんですが、当時は”もっと肩肘張らずに暮らそうぜ。無理して金稼がなくても楽しく生きられるよ”的な論調で、生き方の幅を広げさせてくれます。
年収なんて150万円でも良いという主張、当時の僕には目からウロコでした。
予備校なんてぶっ潰そうぜ
僕の人生に影響を与えたドキュメンタリー本ナンバーワン。
ジョブズやザッカーバーグでない、普通の大学生が起業するとどうなるのかをこの上なくリアルに描いた傑作です。
あまりにも悲しい離別や、経営者の孤独、それでも前に進むしかない狂熱が、まさに目の前で起こっているかのように心を打ちます。
普通の人が起業すると大体何が起こるのかが分かる非常に重要なサンプルです。ホリエモンの本とかジョブズの伝記とかは読んでも桁が違っててよく分からないですから。
そして、この「予備校なんてぶっ潰そうぜ」に書かれてるようなドラマは、実際起こります。僕の身にも大体似たようなことが起こりました。
一部引用。独立起業した人で、共感できないやつはいないんじゃないかと思います。
うまくいかないならその段階でやめればよかったが、やめなかった。
もともと分かりやすい理由があったわけではないけれど、ただ、もう後には引き返せないという思いで突き進んでいた。
今まで同じ道を歩んでいたはずの大学の友人たちが、普段通り授業に出席しているのを見ると、胃液がせり上がってくるような気分にもなった。けれど、それ以上に元の袋小路に戻りたくない気持ちの方が強かった。
こうして、根拠のない楽観で順当にお金を失ってきた僕だったが、いつまでも「なんとかなるよ」と笑っていられたわけではなかった。
(中略)
駒場祭が近づいたある日、「お菓子の家づくりに必要だから」と追加でお菓子を買ってきた仲間に僕は腹を立てた。それが、たかだか数百円のお菓子だったにもかかわらずだ。
(中略)
お金を使うことにつながる可能性のある全ての言動が、気になって気になって仕方がなかった。
繰り返しますが、本書で描かれているようなドラマは実際起こります。
仲間は離れていき、恋人にはフラれ、資金繰りに血ヘドを吐き、ワケの分からない儲け話がいっぱい持ち込まれて混乱します。
ので、この本を読んで「うわっ!ツラいことばっかりじゃん!嫌だ!」って思う人は起業には向いてないのでやめたら良いと思います。独立するにせよ、小さく一人で、ですね。
僕は「なんて熱いドラマなんだろう…!僕もこの渦中に飛び込みたい!こういう文章を書ける経験をしたい!」と思ったので会社を起こすことにしました。
「予備校なんてぶっ潰そうぜ」に関しては別立てで記事にもしてますので、こちらも合わせてどうぞ。引用を多めにして、本書の負の描写のリアルさがなるべく伝わるようにしています。