こんにちは。音楽は特にやってませんが、音楽に関係するマンガを読むのは大好きです。堀元です。
ジャズ漫画「BLUE GIANT」が好きすぎて本当にヤバいので、名言名シーンを紹介します。ええ。唐突に漫画の話をするのが僕の特徴です。
漫画「岳」を描いたことで有名な石塚真一先生のマンガでございます。
ざっくり言うと、まっすぐな若者がまっすぐにジャズをやる青春物語というごくシンプルな話なんですけど、シンプルイズベストとでも言うべきか、ホントに良いマンガです。
抜群に面白く、名言名シーンだらけなので、まとめます。
お前、あの日、こんな感じだったんだな…!
主人公、宮本 大(みやもと だい)はジャズに憧れる少年。
彼がジャズにハマったのは、一件のジャズバー。友達にジャズバーに連れて行かれて、ジャズの演奏を見ることになります。
そこで、すっかり「うたれちゃっ」た大は、サックスを始めます。
そしてそのサックスの演奏を、ジャズバーに連れて行ってくれた友人、周平に初めて聴かせることになります。
オレ、今 分かったよ…
お前、あの日、こんな感じだったんだな…!!
ジャズに「うたれちゃった」主人公が、今度は友人の心を「うつ」わけですね。
ジャズのパワーが、ひしひしと伝わってくるシーンです。
やれよ。
「高校を卒業したら、ジャズで食っていきたい」そんな思いを主人公が親に伝える名シーン。
オレ…ジャズが好きなんだ。
でも、ジャズが何なのか上手く説明できないし。
ただ、中学の時からずっと好きで。本当に、ただ…大好きで…
そんだけなんだけど…オレ…ジャズプレーヤーになりたく…
やれよ。
とことん、おもいきりやれよ
父親の、強烈な応援。即答。
こういう時、親に反対されるのが青春漫画の定番ですが、その真逆です。
早くに妻を亡くし、一人で息子の成長を支えてきた父の優しさ。そんなシーン。
男同士だから、余計な言葉は要らない。「大好きだから」だけで、通じてしまう喜び。
へでもねえや。
サックスを初めてしばらくして、主人公・大の初めてのライブが訪れます。
初めてのライブ。緊張とワクワクが一緒に迫ってくる中、ライブに出演します。
自分のやってきたこと全部を出し切るつもりで、ステージに上がります。
そして全力のソロ!魂を出し切る演奏です。
しかし…
「うるさい」という猛烈なクレームをもらうことになります。
最高に楽しみにしていた初ライブを、途中で降ろされる。めちゃくちゃ悔しそう。
大は一人、真夜中の公園に座り込み、月を見上げます。
落ち込んで、しばらくジャズに後ろ向きになるかと思った矢先…
へでもねえや。
大好きなジャズのライブができたこと、一瞬でも演奏できた喜びを噛み締めて、彼はすぐに前に進みます。
漫画「BLUE GIANT」の魅力は、定番の青春漫画の展開を避けてくることにあります。
普通なら立ち直れないほど落ち込む描写をじっくり描きそうですが、そうではない。ジャズプレーヤーとして大成する者の、圧倒的なタフさを描き出します。
世界一のジャズプレーヤーになる
ジャズプレーヤーになる。
世界一のジャズプレーヤーになる。
(中略)
オレは、世界一のジャズプレーヤーになる。
大のメンタルコントロールを見て、皆が感心します。
彼のメンタルの強さは、ここから来ていました。
酔ってて勝てるような世界じゃないんだよ
学校の皆に、ジャズの良さを見せつけたい大は、文化祭のステージに上がります。
掛け値なしに、学校を熱狂の渦に巻き込みました。
大成功のライブの後、大は師匠とのレッスンにもいつもより気合が入ります。
そんな大を見て、師匠はこう言いました。
ロックやポップとは違う、限られた狭い世界でお前は勝負しようとしてる。
お前、そういうことを本当に分かってんのか?
時には調子に乗ってもいい。
だが、酔うなよ大。酔ってて勝てるような世界じゃないんだよ。
師匠の鋭い言葉が心に刺さる1シーン。
たまに「調子に乗る」のは構わないけど、「酔う」のはNGだ、と。
これ、至言ですね。一仕事終えたあとの達成感を味わう間はともかく、その後の仕事のできにまで引きずってはならない、というイメージでしょう。
兄ちゃんはもう帰ってこないんだ。
高校卒業後は、東京に行くことを決めた主人公・大。
妹との別れのシーンがまたいいんですよ!!
「東京に行きたい」と家族に伝えます。
「どうせすぐ戻ってくるんだ…」と、ふてくされ気味の小学生の妹から言われます。
「演奏を聴かせろ」と、兄と父に言われて、閉店後のスーパーでの演奏が始まります。
大迫力の演奏!父と兄は、あっけにとられます。
そして妹は…
お父さんとでっかいお兄ちゃんは、ビックリしてナゼかうれしそうでした。
彩花はちっとも楽しくありませんでした。
兄ちゃんの演奏を聴いて、彩花はハッキリ分かりました。
もう、帰ってこないんだって。
兄ちゃんはもう帰ってこないんだ。
幼い妹の流す涙と、妹にそう感じさせる兄の演奏。
仙台の、小さな街の閉店後のスーパーで繰り広げられる小さな演奏会と、家族の大きな思い。
いやあ、美しいシーンですよね!!!
ジャズを好きでいろよ
東京に出る前、仙台での師匠との最後のレッスンの日、師匠は大を居酒屋につれていきます。
師匠の最後のメッセージは、彼自身の昔話でした。
ジャズの限界を、かつての師匠は決めてしまいました。
ジャズの限界を決めてしまったことが、師匠が「枯れ」てしまった原因でした。
とてつもなく小さい芽だし、時々しか咲かないが、
咲いてんだ。お前はハナっから咲いてんだ。
大、ありがとう。
ありがとう大。
お前のおかげで、オレは少しだけまたジャズが好きになった。
仙台を離れるお前にオレは一つだけ願う。
お前はずっと、ずっとずっと…
ジャズを好きでいろよ。
次は、もっと良い演奏しますので
こちらは、東京に出てきてバンドを組んだあとの話。ピアニストのユキノリの慢心が砕かれるシーン。
「今日のライブの結果を見て、憧れのクラブへの出演可否が決まる」という大事なライブのあと、ピアニストのユキノリは一目散に結果を聞きに行きます。
結果を聞きに急ぐあまり、ファンに求められるサインも断って、憧れのクラブの担当者が待つバーへ。
「君のピアノはつまらない」と、バッサリ言われてしまいます。
憧れの舞台に立つことを拒まれて、失意の中、ユキノリは自分の思い上がりを反省しました。
そして、サインを断ってしまった人を探し始めます。
探しに探した後、一軒の豆腐屋に目星をつけます。
ユキノリは、豆腐屋が開店するまで、ひたすら店の前で待ちました。
こういう人が…
こういう人が、聴きに来てくれてるんだ。
遅くなってすみません。これ、自分のサインです。
次は…
もっと良い演奏しますので。
モブにしか見えていなかった観客にも、一人ひとりの人生がある
そんなことを感じて、ユキノリはピアニストとして大きく成長します。
慢心が打ち砕かれて、人間としてもピアニストとしても1つ上のステージに行く、素晴らしいシーンです。
以上、BLUE GIANTの良いシーンまとめでした!
ホント良い漫画。超おすすめなので読んでない方は是非。