歯のトラブルが多い。
僕の家系は歯が強いらしく、
というようなことを両親が言っていたのをよく覚えている。
父親に至っては、20歳過ぎるまで「歯を磨く」という習慣が無かったらしい。しかもそれが特に体に悪いとは思っていなかったそうだ。
さて、そんな両親の遺伝のお陰か何なのか、確かに虫歯のトラブルは少ない。
生活習慣を考えると、異例の虫歯の少なさだと思う。
ではどんなトラブルがあるのかといえば、邪魔な歯である。歯が丈夫過ぎて、しばしば邪魔になるらしい。
邪魔な歯を歯医者で抜くという経験が皆さんにはあるだろうか?僕にはある。
しかも1回や2回ではなく、10回だ。内訳を見てみよう。
1回〜3回:乳歯
最初の3回は乳歯を抜いた。小学校6年生のときだ。抜いた理由は「なかなか抜けないから」。馬鹿みたいな理由だ。
普通小学校6年生ともなれば乳歯はほぼ抜けきって、永久歯が生えそろっているはずである。
が、僕の乳歯はしつこく口に残り続けていた。どうも歯が丈夫すぎて抜けなかったらしい。
小学校6年生の時に始めて歯列矯正をしにいったのだけど、その時に歯医者に
と言われた。
「たくましい子供」というフレーズは何となく褒め言葉のように聞こえるけど、今回は「たくましい」は「歯」にかかる修飾語なので全然褒められてない。何ならちょっとバカにされてる気がするな、と子供心に思ったのを覚えている。
乳歯は全然たくましくなくていいから、さっさと抜けて欲しい。新しい時代の台頭に焦りながらポストを譲らない老害みたいだ。
もうこの時点で幼い僕はテンションが下がっていた。
乳歯は、時が来たら抜ける
こんな当たり前のルールさえも守れない自分の歯にガッカリした。
そして設計した奴への怒りがこみ上げて来た。ちゃんと時間が来たら抜けるように設定しておくべきだし、仮にタイマーが故障で動作しなくなったとしても、手動で簡単に抜けるようなエラー処理が必要だ。
4回〜7回:永久歯
続いての4回は永久歯だ。これも小学校6年生の時だ。
抜いた理由は「歯が大きすぎて口に入りきらないから」だ。これまた馬鹿みたいだ。
歯列矯正するためにレントゲンを撮ったとき、歯医者が言った一言目を覚えている。
「そんなことあるの!?」と子供心に思った。
歯は、口に収まっているべき
さっきよりも更に簡単なルールだ。僕の歯はこのルールさえも守れていないのか。
歯なんだから、ちゃんと口に収まるように計算して生えてこないとダメだろう。なぜそんな無計画なサイズ感にしてしまったのか。
これもやはり設計した奴のせいだろう。
おそらく、「これぐらいの大きさの歯を生やせば良くね?」という適当な感覚で歯の大きさを決めたのだろう。そのせいで、「ヤバい!思ったより口のスペース少ない!」ってなったに違いない。
僕はこの時、設計図を描く大切さを学んだ。設計図をちゃんと描いていればこの初歩的な設計ミスに事前に気づいたはずだ。
というか、何故設計図無しで着工が始まってしまったのか。僕の歯を設計した奴には上司とかいなかったのだろうか。
そして、自分の歯にガッカリすると同時に、
と感じた。
8回〜10回:親知らず
残りの3回は親知らずだ。理由は3回とも違った。
1回目に抜いた時に、これまた歯医者が言った。
「親知らずって悪さするものなの?」と思った。気づけば僕は、歯医者に親知らずについて尋ねていた。
すると、歯医者は答えた。
何だそれは。歯なんだからまっすぐ生えるべきだろう。
さっきは「設計ミスだな」と思ったけど、もはや「常識を疑う」レベルだ。
歯はまっすぐ生やさなければいけない
こんな最低限のルールさえ理解してない奴が僕を設計したのか。
もはやガッカリを通りすぎて意味不明すぎる。もしかして幼稚園児が設計したのだろうか。
幼稚園児特有のアグレッシブさで、「歯はまっすぐ生える」という常識を塗り替えてきたのかもしれない。塗り替えないで欲しい。
まとめ
以上、僕の抜歯遍歴と、僕の歯を設計した奴がいかにポンコツかについて語った。
日本歯設計協会の皆さんは、設計士のレベルについてもう一度考え直した方がいい。
場合によっては5年に一度のテストをパスしなければ設計士の資格を剥奪するなどの施策を導入する必要があるだろう。
歯設計士のレベルの向上を、切に願っている。