野球って見る分には気楽ですけど、やるとボテボテのフライすら捕れなくて「ムズっ!」ってなりますよね。堀元です。
さて、本日紹介したいのは狂気の面白さの漫画「バトルスタディーズ」です。これ面白すぎるんですよ。
何が面白いってね、まず作者がPL学園野球部のOB。つまり、この物語はまごうことなきリアル。
リアル過ぎるPL学園野球部
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入学早々、主人公たちに襲ってくるのは、尋常ならざる量のルール。
しかも、
- 女見るの禁止
- 笑顔禁止
- 部屋にいるときは基本的に正座
など、野球と全く関係ない上に守るのが困難極まりないルールたちです。
そしてこのルール、かなり厳格に運用されていまして……
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一年生がうっかり笑ってしまうと、上級生はとんでもない空気になります。
そして、笑った一年生ではなく、指導員の二年生がミドルキックを喰らいます。
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この無茶苦茶な展開、読んでるこっちは笑ってしまいますが、妙にリアルです。多分実際のPL学園もこんな感じだったんだろうな、と思います。
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結果、初日から脱走者が出ます。
そりゃしょうがねえよ。初日から飛ばしすぎだろ。こんなもん俺も初日で逃げるわ。
しかし…
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どうもこれがDL学園(作中ではPL学園をこう呼ぶ)の強さを支える秘訣でもあるようです。
カントク自ら「地獄のような毎日」って言っちゃってますからね。確かに精神は鍛えられそうだ。
炊事や洗濯の話が、野球より重要
この漫画の面白いところは、野球漫画っぽくなるまでに時間がかかるところです。
主人公たちが始めてマトモに野球の試合をするのは、コミックス2巻の終わりの方です。
こういう組み立ての野球漫画は本作だけなのではないでしょうか。
で、じゃあ野球せずに何やってるかというと、炊事や洗濯です。
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一年生たちは、上級生をイラ立たせないようにとにかく必死に仕事を覚え、こなしていきます。
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- 3年生に「おかわり」を言わすな!常に食べるペースを見て、先に言え!
- 移動は忍者のように静かに!
- 常に汗は拭け!
など、これ何のための修行なん?と言いたくなる要素盛りだくさんです。体育会系っぽいですねえ。
ちなみに余談ですが、僕が大学一年生のときにいた体育会系部活も「先輩が座るまでに配膳を完璧にしておく」みたいなルールがしっかりありました。
体育会系部活、ウェイター能力が高い方が有利っぽいという知見が導かれますね。
あと、本作で一貫して描かれているのが、洗濯のしんどさです。
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オレら何しにDL来てん!?
なんや この旅館のババアみたいな結束感は!?
こう吠えるのは、中学時代、全日本代表チームのエースを務めた檜くん。
野球エリートの彼らが突然与えられまくる雑務とそれへの喧々諤々が、非常にリアルに描かれています。
こんなもん笑うわ。
更に悪いことに、この洗濯が、野球に悪影響を及ぼしたりします。
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野球はべらぼうに上手いが洗濯は下手なピッチャー檜は、洗濯板のせいで指の感覚をおかしくします。
仕事が野球にプラスにならないどころか、マイナスに働くという地獄感。すごい。
高校生活も非日常で面白い
普通の高校生活を過ごした人にとって、一つの疑問があります。
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この辺、非常に好奇心をそそられるところですよね。
一日中野球してるのか?でもサスガに高校生活だから、最低限の勉強はしてるのか?
よく分からないPL学園野球部の高校生活も、非常に丁寧に描かれています。
体育コースは別カリキュラム、男だけ
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剣道部と野球部は体育コースにまとめられ、普通科とは別のカリキュラムになるようです。
そりゃそうだ。こんだけ必死で野球してるヤツが普通のヤツと一緒に学園生活おくれるわけない。
で、気になるその授業内容ですが…
現代国語はニュース鑑賞
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「外界で起こっていることについていけるように」ということで、現国はニュース鑑賞です。
確かに、常に野球をしていて、テレビ禁止の寮生活を送っている以上、こういう時間も必要な気はする。
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政治経済のニュースはほとんど全員寝る。この辺もリアルですね。
数学はキャッチボール
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数学──
難しすぎて誰も分からない
寝るか──
遊ぶか──
それしかない
まあそうだろうなという感じですが、ここまで断言されると気持ちいいですね。
その他の学園生活
その他の学園生活も非常に興味深く、全編を通してPL学園の面白い生活をガッツリ描き出しています。
僕が個人的に好きなのは、近畿大会で優勝した後の、お菓子とジュースが解禁になるくだり。
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普段禁止のお菓子やジュースが解禁になると、お祭り騒ぎになります。
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オ・カ・シ!!ホイっ!!
甘・味!!ホイ!!
誰も彼も超高校級の野球選手なのですが、お菓子が食べられるだけでこんなにはしゃぎます。
PLの高校球児のかわいさに思わず笑ってしまいました。お菓子好きすぎる!
そしてお待ちかね!野球も熱い!!
で、ずーっとそんな生活面についてなのかというとそんなことはなく、野球漫画としても極上です。
熱い試合展開と素晴らしい画力に、思わず鳥肌が立ちます。
圧巻のワンシーンをご紹介。夏を控えた近畿大会で、ライバル校との試合をするシーンです。ここは鳥肌が止まりませんでした。
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春の甲子園で惜しくも敗れた宿敵との対戦。4番バッターが打席に立つシーンです。
4番バッター石松は、春、敗れたときのエースの涙を思い出しながら打席に立っていました。
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親友でもあるエースの涙に、石松は自分も大いなる責任を感じています。
名門、DL学園の4番を打ちながら、4三振というふがいない成績でした。
もう二度と、あんな思いはしたくない
そんな気持ちを持って、魂を込めてフルスイングします。
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共に地獄の生活を耐え抜いた仲間と、甲子園を制覇したい。負けたくない。
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人生で一番、気合の乗った打球です。
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結果、スコアボードを貫いて場外へ。
過剰演出オブ過剰演出って感じなのですが、ここまでの試合の流れで読者のテンションが最高潮になってますから、もう大興奮です。
普段だったら、
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くらいになりそうなのですが、ここを読んだときの僕は
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と、超良い観客になってました。
まとめ
ということで、漫画「バトルスタディーズ」は、PL学園野球部という異世界をとっても丁寧に描き出していて面白いし、野球漫画としてもものすごい熱量を持った傑作です。
漫画「バトルスタディーズ」ホントに面白すぎて吐きそう。
舞台【DL学園】(まんまPL学園)の地獄の寮生活に耐えながら甲子園を目指す青春物語。・激アツの野球場面
・寮生活の厳しさ(お菓子が解禁になっただけでめっちゃはしゃぐ)の両軸が見事。傑作。https://t.co/QJKZlr2hjR pic.twitter.com/2rAIb9MzL2
— 堀元 見@あそびカタのプロ (@kenhori2) January 15, 2018
これはビッグウェーブだと思います。今まで読んでなかった自分を恥ずかしく思いました。
この激アツ野球漫画を読んでない方は、騙されたと思って1巻を読んでみてください。寝食を忘れて夢中になれることを保証します。