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「あなたの夢は何ですか?」という質問を一年続けて気づいたこと

人生

僕は、しょっちゅう「あなたの夢は何ですか?」と聞いている。

初対面の人にはまず間違いなく聞くと思う。

「あなたの夢は何ですか?」という質問で、その人の色々な面が見えて来るから、非常に面白い。

みんなもこの質問をするべきだ。少なくとも「今どちらにお住まいなんですか?」とか「めっきり寒くなりましたね」みたいな世間話をするよりもよほど情報量があるし面白い。

 

そして、よくこの質問をするようになったのは一年ほど前、ちょうど僕がフリーランスになるのを決意した頃からだ。一年間、夢を聞き続けて感じたことを書いてみる。

 

一番多い答え「特に無い」

ゾッとすることだけど、3〜4割の人は、特に無いらしい。

照れ隠しなのかもしれない。秘密なのかもしれない。でも多分、ほとんどの人は本当に夢が無いのだ。

こんなこと、有り得るんだろうか?

人間は、目標が無いと頑張れない生き物だ。ゴールテープという目標無しに、フルマラソンを走り抜くことはできない。

だから、言うまでもなく人間は自分の人生の目標を設定すべきだ。僕はそれが「夢」だと思っている。

 

「大人」は、この質問に答えられないことが多い

それなのにどうだろう。世の中の多くの社会人は、夢がない。曖昧であるとかそういう問題ではなく、そもそも「全くない」のだ。

堀元
あなたの夢は何ですか?

僕がそう聞くと、

いやあ…まあ、それなりに面白く暮らせていけばいいかなあ…

という、驚くほど歯切れの悪い答えが返ってくる。

当たり前の話ではあるが、彼の「それなりに面白く暮らせること」が夢であろうはずがない。彼はそもそも、「自分の夢は何なのか?」という問いに向き合うことを放棄している。

もし本当に考え抜いた上での結論が「それなりに面白く暮らせること」なのだとしたら、彼の態度はもっと自信に溢れたものになるだろう。

 

学生は、答えようとしている

一方、学生は違う。

僕は大学生とか高校生とかと話す機会がそこそこある。そして大抵の場合、大学生も高校生も、自分が何者かにならなければならないという、得体の知れない感覚に追われている。

だから、「◯◯が好きで△△みたいなことをしていきたいんですけど、あまり形にはなってないです…」みたいな、モゴモゴした未完成な回答が返ってくる。

僕は、この未完成な回答が好きだ。彼らなりに、何者かになろうとしているからだ。

どんなに未熟でも、曖昧でも、彼らなりに夢を持とうとしているからだ。

 

夢が無いあなたの人生は、本当に幸せか?

夢が無い状態でひたすら働いて、ひたすら日々を暮らしていくのは、不幸せであると、僕は思う。

ゴールテープの無いフルマラソンは、本当にキツいはずだ。どこまで走れば終わりなのか、そもそも本当に終わりがあるのか、分からないまま走らなければならない。ペース配分もできない。

言葉を選ばずに言おう。夢がないのになんとなく働き続けている人間はバカだと思う

ゴールが無いのに走り続けていて止まれない人は、バカだと思う。

 

夢を奪うのは何者なのか

では、一生懸命何者かになろうとしていた学生から、「夢が無い」という大人が生まれる理由を探ろう。

理由は、多岐に渡ると思う。「やってみたけど結果が出なくて諦めた」「家族を守っていくために、やりたかったことを捨てた」等、色々なパターンが考えられる。

でも、上記のような理由で夢が無くなった人は、5%に満たないと思う。

95%の人は、そうではない。ではなぜ彼らには夢がないのか?

 

それは、自分の夢と向き合う機会を持っていないからだ。

 

僕が「あなたの夢は何ですか?」と聞いたとき、「えっ!」という顔をする人がいる。「おいおい、どんな質問なんだよ」という顔をする人がいる。

彼らの中では、自分の夢と向き合うことは、そのくらいおかしなことなのだ。

自分の夢と向き合うのはおかしいのだろうか?僕はそうは思わない。ゴールを確認するのは当たり前のことだ。

彼らとて、「今日の体育では、走ります。さあ走りはじめて下さい!」と言われたら、まずゴールを確認するだろう。闇雲に走り出す奴はいないだろう。当たり前のことだ。

それなのに、何故か人生に限っては、ゴールを確認しないのが当たり前になっている。

「闇雲に、とにかく立ち止まらないで走れ!」

そう言われて走る理不尽なレースの中で、断片的な情報だけがあちこちを飛び交っていく。走るのに忙しいから自分の頭で考えることはできないけれど、「結婚は◯歳までが良い」とか「年収は◯円はあった方が良い」とか、ゴールについての「噂」だけが流れてくる。

ゴールが無くて息が上がっているランナーは、その噂を鵜呑みにするしかない。自分の頭で考える酸素はもう残っていない。

 

楽だから、走るのをやめられない

だが、悲しいことに、「噂」は真実ではない。自分にとっての幸せは何なのか、自分の頭で考えるしかないのだ。

社会の慌ただしさは、窮屈な風潮は、「考えるな!走れ!」と訴えかけてくる。この「走れ!」の号令に、多くの人は従ってしまうらしい。

どうも、大多数の人間にとって「走れ!」の号令に従うことは、抗うことよりも楽らしいのだ。

一生懸命考えて、力を尽くして、ゴールを探し出すよりも、「走れ!」と訴えかけてくる巨大な声に従った方が楽らしいのだ。

ブラック企業やひどい労働環境の中で夢も無くひたすら働き続ける人は、怠惰なのだと思う。

一日16時間働いていようが、彼らは本質的に怠惰なのだ。一番苦しくて面倒なゴールの追求をサボって、「とりあえず走る」ことを選択している。

 

金谷で出会った、「走ってない」人々

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僕は昨日から今日にかけて、千葉県の金谷にいた。コミュニティスペース「まるも」に出入りする多くの人達に触れた。

「まるも」は「田舎フリーランス養成講座」等の企画を行い、移住促進や新しいライフスタイルの提案を行っているローカルなスペースだ

僕は天邪鬼なので、「地方最高!これからは地方の時代だ!」みたいな言説に安易に同意する気持ちはあまり無い方なのだけれど、それでも今回の金谷滞在は非常に面白く勉強になった。

金谷の人たちは、闇雲に走ることをしていなかった。

「まるも」の周りにいる人は、ほぼ全員が東京からの移住者だ。彼らはきっと、自分の夢や欲望に向き合うために、ペースを落として来た人たちだ。

闇雲に走っていては自分の夢について考える時間が無いと思って、走るのをやめてきた人たちだ。

だから彼らからはたくさんの「これやりたい!」が出て来るし、日々を心から楽しんでいる。

 

カルロスさんの夢

僕の今回の滞在の引き金は、カルロスさん(@crls1031 )に誘われたことだった。

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この写真の男がカルロスさん(あだ名、純日本人)である。

僕は元々彼のブログのファンだったが、彼も僕のブログを読んでくれたらしく、今回遊びに来いと誘ってもらった。

 

初対面だったので、僕はやはりいつも通り、カルロスさんに夢を聞いた。

カルロスさんは、「とにかく面白いことや人に乗っかりたい。自分でも色々やってみたいと思ってやったりもしたけど、ナンバー1ってタイプじゃないんだ。ガンガン面白いことに乗っかろうと思う」と答えた。

答えの内容的には、冒頭の「夢を答えられない大人」の回答に近い。

でも、彼の言葉は重かった。カルロスさんは、自分の欲望や理想から目をそむけていない。夢に向き合っているんだと思う。

昨晩は、カルロスさんを含めた数人で、夜が更けるまで人生についてディスカッションをした。楽しかった。金谷に来た甲斐があったな、と思った。

夢に目を向けて金谷に暮らしている人たちは、本当に面白い人達で、彼らはきっと幸せだろう。闇雲に走っている人よりも、はるかに。

 

僕は「あなたの夢は何ですか?」をやめない

僕は一生、「あなたの夢は何ですか?」と聞き続けていこうと思っている。

僕の質問で、皆に夢に向き合ってもらいたい。闇雲に走り続けている人に、ゴールの必要性を感じてもらいたい。

そして、この質問が当たり前になればいいと思う。

皆がゴールに向き合うようになれば、夢から目をそらさないようになれば、自己紹介での定番の質問になるんじゃないかな。

「どこに住んでいるんですか?」っていう質問には誰でもすぐ答えられるけど、「あなたの夢は何ですか?」は、日々考えていないと答えられない。

この質問が当たり前になって、皆が夢について考えずにはいられない社会になればいい。

金谷で走らない人たちから感じた幸せを、皆が感じられるようになればいい。

 

あなたがもし今、ゴールを見失っていて、闇雲に走っているのなら、走るのをやめてみるのも一つの手だと思う。

走るのをやめなくてもいい、今走るのに使っている酸素を少しだけ考えるために使おう。ゴールが何なのか、夢は何なのか、考えてみよう。

 

それが、皆が幸せになる第一歩なんだ。

 

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author
Ken Horimoto
堀元 見

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