こんにちは。非日常クリエイターの堀元見です。
僕の母校の慶應義塾大学には、「ペン回し研究会」というサークルがあります。
ガチでペン回しの練習ばっかりしているという意味不明なサークルです。
僕はといえば、「ムダ祭り会」という意味不明なイベント団体をやっていたので、意味不明繋がりで時折コラボしたものでした。
さて、そんなペン回し研究会OBのタコペッティ(@syakaisei )から、ペン回しの魅力やペン回し界の話を寄稿してもらいました。
何と彼は、ペン回し世界大会に日本代表として出場したことがあるというほどの一流のペンスピナーです。これは良い話が期待できそうだ!!
皆さんもあまり馴染みがないであろうペン回しの世界についての情報、ご覧あれ!!
皆さん初めまして。タコペッティと申します。京都のメーカーの広報部でしがない会社員として働いております。
堀元くんとはムダ祭り会関係で知り合いまして、会社員になってから懇意にさせていただいております。
自己紹介はこのくらいにして、今日は私が人生を捧げたと言っても過言ではない、「ペン回し」について書いてみようと思います。
ペン回しとは?
「ペン回し」という単語だけ聞くと、授業中の暇つぶしに行うくだらない遊びと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
一つ一つの技ごとにそれぞれ名前と個性があり、それらの技が組み合わせられることで、一種のジャグリング芸のような、指先の芸術を創り出すことができるのです。
ペン回しとの出会い
私がペン回しに出会ったのは、中学2年のときでした。
当時学校でペン回しが流行っており、私も御多分に漏れず友人に教わりながらペン回しを練習しました。
普通の学生であれば、基本的なペン回しの技だけ覚えればそれで満足したのかもしれませんが、私はそれでは満足しませんでした。
すぐさまネットでペン回しを検索し、動画を見ながら、日々新しい技を研究、開発しました。
当時の私はペン回し以外にルービックキューブにもはまっていたのですが、一つ極めようと思ったときに、ペン回しを選びました。
なぜなら、ペン回しのほうが「発展途上」だったからです。
ルービックキューブは当時既に全国大会もあり、メジャーな趣味でした。
そして、上位プレイヤーのレベルに到達するのには、膨大な時間がかかります。例えば、1分から30秒に時間を縮めるのに約1年かかります。
トッププレイヤー達は血の滲むような練習の末に、全国大会に出場していたのです。
ルービックキューブは既に開拓しつくされていると判断した私は、まだまだ技も開発されておらず、発展途上であったペン回しに打ち込むことに決めました。
そのほうが、将来が未知数であり、自分にとってなんらかのチャンスも多くなると判断したからです。なにより、わくわく感が大きかったのです。
私の予想は当たり、私が高校に入るころには日本ペン回し協会が設立。
ペン回しは多くマスコミにも取り上げられ、ご存知の方もいるかもわかりませんが、ロフトや東急ハンズにもペン回し専用ペンが並び始めました。
世界大会も開かれるようになり、私は努力の甲斐もあり2009年のペン回し世界大会に日本代表として出場することができました。
さて、自分語りはこのへんにして、ペン回しの魅力をご紹介したいと思います。
が、その前に、ペン回し用語を簡単に説明致します。
ペン回し用語
フリースタイル
ペン回しの自由演技のこと。
技を自由に組み合わせて個々人が数秒間にわたるオリジナルの演技を行うことを、ペン回しのフリースタイルと言います。
ペンスピナー
ペンを回す人のことです。
改造ペン
ペンスピナーは市販のペンを分解、改造して自分の回しやすいペンにカスタマイズします。
ベイブレードのようなイメージです。自分専用の世界に一つだけしかないペンを作ります。それを一般に改造ペンと呼んでいます。
ペン回しの魅力
ペン回しの限界はまだまだ先
先ほどもちょっと触れましたが、「ペン回し」の限界はまだまだ先だと思っております。
僕がペン回しを始めた時、すなわちもうかれこれ10年も昔になりますが、そのころは指先のペン回ししかありませんでした。
所謂みなさんが授業中によくやる、クルクルと指先で回すペン回しです。
この頃は手首を動かさず、指先で回すペン回しこそが本当のペン回しである、とされていました。
手首を異常に動かしたり、ペンを投げたりするペン回しは、いわば邪道として扱われてきました。
ネット上に出回るフリースタイル動画も、基本は手首から指先のみが映っているものばかりでした。すなわち、動画内のみで完結する、美しい芸術としてのペン回しです。
しかし、そのわずか4年後、日本ペン回し大会が開催されました。
そこでは今までオンラインで交流を続けていたペンスピナー達が一斉に集い、技を見せ合いました。
これを機に、さらに今まで中高生中心だった主要ペンスピナーが大学に進学し始めたこともあり、活動場所がオンラインからオフラインに移り変わりました。
ここから、競技としてのペン回しが確立していきます。もはや指先以外のペン回しは邪道、という価値観はなくなり、体全体を使ったアクロバティックなペン回しが世に出回るようになりました。
そして、つい先日、ペン回し界で初めてプロのペンスピナーが現れました!ペンスピナーのKayさんです!
すなわち、ペン回しがジャグリングの一種、1つのパフォーマンスとして世の中に受け入れられたのです!
そして、路上でのペン回しパフォーマンス、教室を借りてのペン回し講座など、今まで内輪で行われていたペン回しが外部の世界で行われるようになりました。
ペン回しが世に確立してわずか10年、異常に早いペースでペン回しは日々進化し続けています。
この進化の速さ、未来への無限の可能性こそが、ペン回しの魅力です。自分でペン回しの道を切り開いてゆけるのです!
いつでもどこでも気楽にできる
これはいわずもがなでしょう。
スポーツやジャグリングなどは、場所や道具、用具が必要だったりしますが、ペン回しはペン一本あればできるのです。
言うなれば場所と時間を問わずどこででもできます。このとっつきやすさも、ペン回しの魅力であると思います。
世界が広がる
みなさんはご存じないかもしれませんが、今や世界中にペンスピナーがおります。
有名ペンスピナーが台湾に降り立ったとなれば、空港で台湾ペンスピナーが数十名出迎えしてくれるほどです。
私自身、ペン回しを通じて、そうした世界各国の人間たちと触れ合う機会が増えました。
日本に旅行しにきたペンスピナーや、日本に留学しにきたペンスピナーを英語で観光案内するなどという機会もありました。
これも、ペン回しをしていなかったらありえなかったことであると思います。ペン回しという一つの文化を通じて、世界各国の人間と交流することができたのです。
さらに、余談になりますが興味深いのが、ペン回しのスタイルが国によって全く異なるということです。
例えば、日本では短く、小技をつなぎ合わせて完成度の高い、美しいペン回しが至高とされています。
しかし、欧米では、とにかく大技をつなぎ合わせて、雑でも良いから派手で難しい技を長々と見せつけることが至高とされています。
どうも、日本人や韓国人は完成度が高く美しいペン回しを追及したがりますが、欧米人はとにかく派手で難しいペン回しを好むようです。
これは国際大会での審査にも関わる重要な面でもありますが、とにかくペン回しに国民性、その国の文化が反映されるというのは非常に面白いところです。
私が思うに、日本ではわび、さびの文化があるからこそ、いかに短い時間で、綺麗に、完成度の高い美しい技を組み込んでいるかに価値を置くのであると思います。
こうして国ごとの文化の違いも、ペン回しで学ぶことができます。
とにかく奥が深い!
最後はこれにつきます。とにかくみなさんやってみてください。
なんでもやってみないと良さも悪さもわかりません。
一つの技でも指先の反り方、速度、ペンが回る位置、なんかによって全く違う技に見えてきたりことがあります。そこの魅せ方を工夫するというのが、ペン回しの醍醐味でもあると思います。
ペンスピナー、タコペッティの夢
最後に、ペン回しに大学生活を捧げ、ペン回しで会社を決定した私の夢を書いてみたいと思います。
私の夢は、人々とペン回しを共創する空間を作ることです!
その空間というのはテナントを借りてでも自分の住居の一室ででもなんでもいいんですが、そこでペン回しイベントを随時開いていくことを僕の目標としています。
改造ペンや、ペン回しにまつわる道具でその空間を埋め尽くし、一般の人々に空間を開放して子供やご年配の方相手にペン回し教室を開いたり、改造ペンの作り方講座を開いたり、玄人ペンスピナーが集まる憩いの空間にしたり…
そういったことを考えております。
が、この夢を実現させるには私にはお金がありません。
ですので、この夢を実現させるために会社員として働いております。
(ちなみに、この記事をお読みになっている方の中で、空間が余っているから空間を貸しても良いという方がいましたら是非ともご連絡ください。)
いずれお金が貯まったら、是非ともこの夢を実現させたいと思っております。
さしあたって直近の目標としては、文房具業界の展示会にペン回しを出展させることを計画しております。
その件についてはおいおい私自身のブログ(勤労日記)なんかで報告していく予定です。
ではでは、この記事を読んでペン回しに興味を持ってくださった方も、私の夢に興味を持ってくださった方も、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
タコペッティ連絡先
Twitter: @syakaisei
Mail: takomiyusu@yahoo.co.jp
※twitterの方が反応は早いです。
以上、ペンスピナーのタコペッティからの寄稿でした。いかがだったでしょうか?
僕は読んでいる間終始
と思いながら読みました。何なんでしょうね。
特に、
どうも、日本人や韓国人は完成度が高く美しいペン回しを追及したがりますが、欧米人はとにかく派手で難しいペン回しを好むようです。
これは国際大会での審査にも関わる重要な面でもありますが、とにかくペン回しに国民性、その国の文化が反映されるというのは非常に面白いところです。
のところを読む時は、
と3回くらい思いました。何なんでしょうね。
ちなみに僕と彼とは慶應義塾大学の同期なんですけど、在学中は一回も話したことないんですよね。
卒業後、初めて飲みに行って、仲良くなりました。
最初にあった時は彼の独特のテンションがイマイチ分からず
と思いましたが、しばらく付き合ってみると非常に面白い奴だと分かりました。
ペン回しの話だけでなく、キャリア論やら経済やら京都観光情報やらマルチに語れる凄い男です。
今回の記事で興味を持った方は、タコペッティtwitterと彼のブログ(勤労日記)もチェックすることをオススメ致します。
ああ、面白い人っていっぱいいますね!!楽しい!
世界を面白くしよう!