中島みゆきの、人生を考えさせる名曲歌詞10選

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こんにちは。非日常クリエイターの堀元です。

突然ですが皆さん、中島みゆき、聞いてますか?

人生について考えたいなら、中島みゆきを聞こう

そうアドバイスしたいくらい、中島みゆきの曲には名歌詞が出てくるのです。

中島みゆきの曲が「何となく暗い感じ」だと思ってる若者は、とにかく最後まで読んで欲しい。素晴らしすぎて絶対好きになるから!

※曲と一緒に紹介している動画は大抵中島みゆき本人の歌じゃないですがお許し下さい!YouTubeには本人の歌はほとんどありませんでした!

 

①「タクシードライバー」

笑っているけど みんな本当に幸せで
笑いながら 町の中歩いてゆくんだろうかね
忘れてしまいたい望みを かくすために
バカ騒ぎするのは あたしだけなんだろうかね

タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す

情景がすごく浮かんできます。中島みゆきの曲の真骨頂は、一曲通して聞くと一本のショートフィルムを見終わった感覚になることです。

想像力をはたらかせてください。情景を想像したら、どんどん泣けてきます。

苦労人のタクシードライバーは、余計なことを喋ったり、気の利いたセリフを言ったりしない(できない)のです。

彼にできるのはせいぜい天気の話と野球の話くらい。特に、乗ってきた泣いている若い女性にかける優しい言葉など持ってはいないのです。

でもそんな無骨で不器用なタクシードライバーの態度が、「忘れてしまいたい望みを隠すためバカ騒ぎ」した後の「あたし」の心に染みるのです。

 

何と美しい一曲なのでしょうか。僕も昔「バカ騒ぎ」した後に聞いて、泣きました。

 

②「蕎麦屋」

世界じゅうがだれもかも偉い奴に思えてきて
まるで自分ひとりだけがいらないような気がする時
突然おまえから電話がくる 突然おまえから電話がくる
あのぅ、そばでも食わないかあ、ってね

べつに今さらおまえの顔見てそばなど食っても仕方がないんだけれど
居留守つかうのもなんだかみたいでなんのかんのと割り箸を折っている
どうでもいいけどとんがらし どうでもいいけどとんがらし
そんなにかけちゃ よくないよ、ってね

風はのれんをばたばたなかせてラジオは知ったかぶりの大相撲中継
あいつの失敗話に けらけら笑って丼につかまりながら、おまえ
あのね、わかんない奴もいるさって
あのね、わかんない奴もいるさって
あんまり突然云うから 泣きたくなるんだ

中島みゆきファンの間では極めて評価の高い一曲。

「友情」ってこういうことだよなあ、と僕はいつも思います。

「別に今さらお前の顔見てそばなんて…」と悪態をつきつつ、それでも出かけてしまう。他愛無い話の中にポッと出てきた一言に、思わず泣いてしまったりする。

こんなにもさりげなく、そしてこんなにも美しく友情を描いた歌詞が他にあるでしょうか?

この「蕎麦屋」に比べると、巷にあふれる友情讃歌は全部胡散臭く感じてしまいます。「いつまでも友達だぜ」的な歌詞は馴れ合いに感じてしまいます。

 

「友達」なんて言葉は一言も使わないで、友情を描き出す。

中島みゆきの曲の真骨頂はここにあります。情景を感じさせて、メッセージを伝えています。

 

③「誕生」

ひとりでも私は 生きられるけど
でもだれかとならば 人生ははるかに違う
強気で強気で生きてる人ほど些細な寂しさで つまずくものよ

呼んでも 呼んでも とどかぬ恋でも
むなしい恋なんて ある筈がないと言ってよ
待っても 待っても 戻らぬ恋でも
無駄な月日なんてないと言ってよ

めぐり来る季節をかぞえながら めぐり逢う命をかぞえながら
畏れながら憎みながら いつか愛を知ってゆく
泣きながら 生まれる子供のように
もいちど生きるため 泣いて来たのね

中島みゆき至高の名曲。泣く度に、人は生まれ変わっているのかもしれません。

この曲は何回聞いても泣いてしまいます。

生きることへの勇気を、何度でもくれる歌です。

ごちゃごちゃここで書くよりも、何回でも皆に聞いて欲しい。動画の再生ボタンを押そう!

 

④「Tell Me Sister」

Tell Me, Sister 真似させておくれよ
Tell Me, Sister 追いつこうとしても
Tell Me, Sister そんなふうになれない
そのままでいいのに」と彼女は微笑むだけだった

全ての男は彼女に夢中だった
全ての女さえ彼女には挑まなかった
悪口を言われない運命ってあるものね
その逆の運命が私だと思った

時は流れ ある日突然 この世にいない彼女を知った
きっとずっと全てを知って 「何もない」と未来を見てた

有名ではないですが、中島みゆき屈指の名曲だと思っています。

1番では、自分の容姿や何もかもに自信が持てず卑屈になっている「私」が「彼女」に出会います。「私」はただ「彼女」を妬むばかりで、「真似できない」と感じています。

それが2番で急転直下、時が流れて、「彼女」はもうこの世にいないことが判明します。おそらく病死でしょう。

「私」が妬んでいた「彼女」には、未来がなかったのです。「恵まれているってどういうことなんだろう?」と私はひたすら思い悩みます。答えは出ず、「Tell Me Sister」と問い続けて曲が終わります。

幸せって何なんでしょうね?

でもきっと、若くして死んでしまう運命の「彼女」よりも、「私」の方が幸せになれる可能性は高いのでしょう。

卑屈になって「真似させておくれよ」と思うのではなく、そのままで生きるのが幸せなのではないでしょうか。

行き場の無い気持ちと共に「生きること」や「幸せ」の意味を問い直す名曲です。

 

⑤「空と君のあいだに」

君の心がわかる、とたやすく誓える男に
なぜ女はついてゆくのだろう そして泣くのだろう
君がすさんだ瞳で強がるのが とても痛い
憎むことで いつまでもあいつに縛られないで

ここにいるよ 愛はまだ
ここにいるよ うつむかないで

空と君とのあいだには 今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる

この歌詞は二番の歌詞なんですけど、ぼくはこの二番が猛烈に心に染みます。

「君の心が分かるとたやすく誓える男に なぜ女はついていくのだろう」

これに近いことを感じたことがある男性は多いのではないでしょうか。

テーマは「タクシードライバー」同様で、不器用な男を讃えています。

「僕」は、上手く調子のいいことを言える小器用な男ではなく、ただ「君」に愛を向ける不器用な男です。

そしてそんな不器用な男の真実の愛。なんと普遍的で美しいテーマでしょうか。

「君の心が分かる」なんて気楽に誓える奴は、僕は嫌いです。不器用な人間であろう。

 

⑥「I Love You, 答えてくれ」

プラスマイナス数えながら 君をみつめるわけじゃない
いつか実りをもらうため 君を大事にするわけじゃない

惚れたほうが損になるなんて 取り引きや投資じゃあるまいし
惚れて嬉しい 単に嬉しい 同じ時代に生まれて嬉しい

愛さずにいられない馬鹿もいる
悩まないで受けとればいいんだよ
愛さずにいられない馬鹿もいる
受けとったと答えてほしいだけさ
I Love You, 答えてくれ I Love You, 答えてくれ
I Love You, 答えてくれ I Love You

人を愛するってこういうことだなあ、と考えさせられる名曲。「愛」の力強さを感じさせられる。

中島みゆきの歌詞には、「報われない愛情」がたくさん出てきます。

どんなに自分が愛していても、あの人は振り向いてくれない

そんな状況下の「想い人」にも「想われ人」にも勇気を与えるのが中島みゆきの素晴らしいところ。

「いつか実りをもらうため 君を大事にするわけじゃない」のです。報われなくても、ただ愛している。そして、その愛を「悩まないで受け取ればいいんだよ」と諭してくれます。

「応えてくれ」ではなく「答えてくれ」なのがポイントです。

見返りは何もいらない。応じてくれなくて構わない。ただ、受け取ってくれればそれでいい。

そんな愛情の力強さと、少しの哀しさが一気に伝わってくる名曲。

 

今回は入れられなかったけど、報われない恋を描いた名曲「慟哭」も要チェックです

 

⑦「命の別名」

何かの足しにもなれずに生きて
何にもなれずに消えていく
僕がいることを喜ぶ人がどこかにいて欲しい

たやすく涙を流せるならば
たやすく痛みもわかるだろう
けれども人には
笑顔のままで泣いてる時もある

石よ樹よ水よ 僕よりも
誰も傷つけぬ者たちよ

繰り返すあやまちを照らす 灯をかざせ
君にも僕にも すべての人にも
命に付く名前を「心」と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

曲調がカッコよ過ぎることで有名なこの曲ですが、歌詞もものすごい。

個人的には「進撃の巨人」の主題歌に一番ピッタリなのはこの曲だと思います。このシーンと合わせて聞きたい。

何の成果も!!得られませんでした

何かの足しにもなれずに生きて、何にもなれずに消えていく

そんな感覚になることもあるでしょう。そんな人生だと思う人もいるでしょう。

しかし「名もなき君にも名も無き僕にも」、命には「心」があるのです。

尋常でないほど力強く歌い上げる曲調に、思わず命の息吹を感じます。

生きるって何て素晴らしいんだろう、と思わずにはいられません。

心臓を掴まれるような迫ってくる歌声が、問答無用で「生きよう」と思わせてくれる名曲です。

 

⑧「ファイト!」

あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのやと書いた
女の子の手紙の文字は とがりながらふるえている
ガキのくせにと頬を打たれ 少年たちの眼が年をとる
悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる

(中略)

薄情もんが田舎の町にあと足で砂ばかけるって言われてさ
出てくならおまえの身内も住めんようにしちゃるって言われてさ
うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき

ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ

ラジオのリスナーの手紙から生まれたというこの名曲「ファイト!」

悔しさに打ち震えながら書いたであろう「女の子の手紙」への中島みゆきの返答です。

勇気を出した決断をするとき、人は必ず批判を受けたり笑われたりします。

僕もそれで何度も悲しい思いをしてきましたが、この歌に元気をもらってきました。

ファイト!闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう

ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ

批判を受けて辛いとき、是非お聞き下さい。

 

⑨「ホームにて」

ふるさとへ 向かう最終に 乗れる人は 急ぎなさいと
やさしい やさしい声の 駅長が 街なかに 叫ぶ

振り向けば 空色の汽車は いまドアが閉まりかけて
灯りともる 窓の中では 帰りびとが笑う
走りだせば間に合うだろう かざり荷物をふり捨てて

街に 街に挨拶を
振り向けばドアは閉まる

(中略)

ふるさとは 走り続けたホームの果て 叩き続けた 窓ガラスの果て
そして 手のひらに残るのは 白い煙と乗車券
涙の数 ため息の数 溜ってゆく空色のキップ
ネオンライトでは燃やせない ふるさと行きの乗車券

故郷をテーマにした歌詞はたくさんありますが、僕はこの「ホームにて」が一番好きです。

この曲のポイントは、故郷に帰れないことです。

「ふるさとへ向かう最終に 乗れる人は急ぎなさい」と、駅長が叫びますが、曲中では彼(女?)は電車に乗ることはできません。

汽車の中では、「帰りびとが笑」っています。それを羨ましく見て、「走りだせば間に合うだろう」と思いつつも、彼は電車には乗れません。

空色のキップ(=ふるさと行きの乗車券)が手元に溜まっていくばかりです。

電車に乗れない理由は「かざり荷物」がたくさんあるからなのでしょう。

この気持ちはものすごく分かります。時折全てを捨ててフラっと故郷に帰りたくなるけれど、実際にはそうはしない

なぜなら、東京にかざり荷物(=やらなければならないこと)があるからです。

それでも、心はいつもふるさとに帰るホームに立っているし、ふるさとを感じている。

それを知ってか知らずか、「優しい優しい声の駅長が」街中にアナウンスするのです。ああ、なんと美しい情景でしょうか。

 

⑩「蒼い時代」

蒼い時代のことやから忘れてやってくださいと
あなたの親に謝られても 何のことかわからないわ

蒼い時代のただなかで私たちは互いに
過去も未来もないことにして固く抱きあったね

正しくても間違いでもかまわなかった
あなたといることだけしか思わなかった

蒼い時代のことやから忘れてやってくださいと
あなたの親が頭を下げる
私は陽だまりを見る

あんな昔の約束をあなたが覚えていたなんて
驚きました 私はとうに今の暮らしに変わっています

あなたと同じ目元がうるんだように安らぐ
ガラスの中に私は見てる遠い陽だまりの日々

蒼い時代のことなんか幻でした
約束は信じてなんかいませんでした
これで良かったのよね

これもまた美しいショートフィルムが浮かぶ曲です。

おそらくは社会的地位のある男と、若い間の一瞬だけ恋仲にあった女の歌。

子供ができて、「忘れてやって下さい」と男の両親が謝りに来ても、どこか冷めたままの女。

女は、蒼い時代のことを、どこか別世界のことのように認識しているようです。

「あなたといることだけしか思わなかった」と、振り返っています。そして、それは「とうに今の暮らしに変わっ」た私にとっては、昔の話だ、とも。

しかし、「蒼い時代」という表現と「陽だまりの日々」という表現は微妙に食い違っています。

前者は若さと未熟さを冷たく切り捨てる表現、後者は温かみを持って過去を振り返る表現です。

 

この食い違いは、最後の一節で解決します。

蒼い時代のことなんか幻でした
約束は信じてなんかいませんでした
これで良かったのよね

「これで良かったのよね」と自分(と、おそらく過去の相手の男)に投げかける発言。

おそらくは二度と会えないであろう地位を持った男のためを思って、身を引く悲しさがあります。

きっと、まだ恋仲だった頃に、一緒になろうという「約束」をしたのでしょう。

それはきっと叶わないことだと薄々感じながらも、「過去も未来もないことにして 固く抱き合った」日々。

そして今、彼女は彼のために、「蒼い時代」を切り捨てています。本当は「陽だまりの日々」だったのに。

「幻でした」と。「約束は信じてなんかいませんでした」と。

 

聞けば聞くほど背後のストーリーを思って泣けてくるし、本当に美しい情景を感じる曲です。

 

 

まとめ

ということで、中島みゆきの素晴らしい歌詞10選でした。ちなみに、10曲じゃ全然足りなかったです。時間が許せば全部解説したいくらいです。

今回紹介できなかった曲も含めて、中島みゆきは歌詞の文学性が本当に素晴らしいので、是非皆さん聞いてみてください。

まずはベストアルバム「大吟醸」がオススメ!

 

 

 

世界を面白くしよう!

 

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